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2020/12/06

美少女という夢幻

森川実咲

ひとつの時代に、いくつもの光が舞い降りるかというと、それは正確ではない。やがては途絶える少女の息吹でさえも、本当の意味で特別なのは、そのごく僅かな一部のみである。
いつでも胸の奥から聞こえる鼓動、心の深い部分に生きる輪郭をなぞる毎に、あの懐かしい美少女に出逢う時間を取り戻すことが出来る。まるで遠い時の糸を手繰り寄せ、直に肌で温もりに触れるかのように。

それとなく過去の記事を読み返している内に、妙に新鮮でいて懐かしい、ひとりの少女のことが気にかかってしまった。
子供をテーマにした、「カラフル!」というNHKのドキュメンタリー番組。この中で、「わたしが勉強する理由」と題した回に出演していた、森川実咲という名の女の子。長い年月を隔てても、全く色褪せない珠玉の美少女ぶりなのである。
(参照:記憶に降りた少女の煌めき
震災の年に放送しているので、もう九年前にもなる。驚くことに、未だにNHKのアーカイブにて視聴することが出来る。勉強を頑張る姿や、女子アナになる夢を語る様子が、本人を追ったドキュメンタリーとして描かれている。

ツインテールにした髪が抜群に似合う清楚な可愛さ、やや舌足らずな喋り口調に、飾りのない装いが映える華奢さ、緻密に整った端正な容貌と、どれを取っても図抜けたレベルの美少女性に達している。塾の級友らが皆、不細工に見えるほどの顔面格差を感じる美貌といって差し支えなく、もはやその存在感が異様ですらある。
アイドルや美少女を見続けてきて早35年になるが、その中でも間違いなく、五本の指に入る特段の美少女だったと断言出来よう。
あれだけ勉強していたのだから、今頃は難関の大学にでも入った頃だろうか。あと数年もすれば、もしかしたら女子アナとして成長した姿を見られるかも知れない。きっと、ミスコンに呼ばれるくらいの美人になっているはずだ。
森川実咲。この名前を決して忘れられないし、置き去りにされたかの記憶の片隅にあっても、これから幾度としてひび割れた僕の心を温めてくれる。そう信じてやまない。

どうして其処に舞い降りたのか、悠久の時を越えたとしても、決して答えが見付かることはない。なぜなら、それは人智を超えた計り知れない巡り合わせが生み落とした、只ひとつの奇跡に他ならないからだ。

美少女という夢幻。脳裏に投影される度に、胸の内を熱く焦がされるような衝動に突き動かされ、息をするのも忘れてしまう。
なぜそうして佇み、頑ななまでに訴えるのか。この存在している次元、空間、そして微かに伝わる仄かな温もり。瞬きした瞬間に消失した幻であるかのように押し寄せた、記憶の波紋。
いつしか永遠という時間と共にこの手を離れ、跡形もなく失われていた。

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