2020年アイドル総決算
全世界を襲ったパンデミックの嵐。後に教科書に記載されるであろう歴史的な感染症、新型コロナウイルスの脅威は、人々の不安や不信を煽り、医療や経済をこともなげに潰していった。
東京オリンピックは延期になったが、恐らく中止になると思っている。その他、あらゆるイベントの開催が出来なくなり、当然ながらアイドルの活動の柱であるライブや握手会なども封じられてしまった。
解散に追い込まれたアイドルグループは数知れず、この界隈においても、深い闇に閉ざされた一年となったのは間違いない。このように、ほぼ暗い話題しかない今年を振り返るのは気が進まないが、定例の締め括りとしてやっておきたい。
今年、最も衝撃を受けたのはいわずもがな、さくら学院の閉校(解散)である。
いわば成長期限定、研修機関の色濃いさくらはこれまでも、非常に限定的な活動に終始し、接触(握手会等)を徹底回避したやり方で、個人的にも欲求不満を募らせていた。ただ、そうした活動内容だけに、メンバーへの負担は最小限であり、多大な投資をしない故に損失も小さく、運営は安定していたのではないかと推測される。それでもやはりコロナの影響か、アミューズの切捨て対象となったようである。
唯一の推しであったグループの解散。やや熱が冷めかけていたとはいえ、極めてショックが大きかった。空虚な喪失感を胸に抱えたまま、来年の閉校を迎えるかと思うと、溜め息しか出ない心境に苛まれてしまう。
さくら学院を失うにあたり、今後更に注目度を増してくるはずのハロー!プロジェクト。しかしながら、そこまでの熱意には欠ける部分もあり、来年変革を続けたと仮定しても、より惹かれるかは未知数な面が多い。
主となるのは、モーニング娘。15期や研修生、アンジュルム新メンバーなど、フレッシュな若手に対する高い注目度。若々しいさくらの代替というわけでもなかろうが、より初々しく新鮮でまっさらな若手に引き寄せられるのは、年老いた男の性なのだろう。
来年については、高齢化著しい本体の世代交代や、イメージの低下したつばきへの新メン加入などを期待していきたい。あくまでフレッシュで可愛いアイドルの原点に立ち返る、当たり前の姿勢を見せても良い頃合いだと思うのだ。
再来したハロプロの魅力
現実に見る穢れなき少女像
アンジュルム、変化への期待
失うものの多い今年においては、とりわけ例年以上に懐古の情に捉われることがあったように思われる。人はいつでも、喪失感や寂しさを紛らすために昔の良かった時間を遡り、甘美な妄想に浸りたくなるものである。
過去の煌びやかな瞬間には必ず、他に類を見ない絶世の美少女が存在していたものだ。それらはあまりに眩しく、我が生涯においてさえ、この胸の内を温かく照らしてくれる。時間という壁では、こんなにも強い繋がりは断ち切れないのだろうか。
現在の局面における「不在」という結果が、何とも虚しい。つまり、今の段階で確実に特別視出来得る少女が、何処にも居ないのだ。
この欠落は大いに憂うべきだし、空虚な心境を長引かせるに違いない。たった一人で構わないから、現れて欲しい。沈痛かつ率直な祈りなのである。
この年越しにあたっても第三波到来、世界的な感染収束の兆しも見えず、希望は遠のいている。ワクチン接種は欧米で始まっているが、日本で実際に本来の日常を取り戻せるのは、早くて来年の末頃だろうか。
いうまでもなくアイドルの魅力とは可愛さのみならず、活き活きとしたライブパフォーマンスや、親近感ある触れ合いから生まれるコミュニケーションにある。
一日も早くコロナが収束し、かつての活気を取り戻したアイドル界隈を待ち望んでいる。今は只、そう願うしか拠所ない。
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