癒しを求める小さき魂

ハロプロにおける興味の対象は、次第に曖昧になってきている。本体のモーニング娘。なら15期などの若手か、ハロドリの影響からの研修生といったところ。
つばきは例の一件からのイメージダウンもあるし、ジュースは歌手路線強すぎて新人が目立たない。ビヨは何だか猥雑だし色物寄りで好かないとなれば、残りはアンジュなのだが…これが最も興味の薄い部類だ。

スマイレージの頃は、可愛さと清楚な色気（日本一スカート短い云々）の配分が絶妙な上、前田憂佳という絶対的エースが存在した。しかしながら現在では、統一性のない個性的な面々を竹内朱莉が引っ張る図式。求心力に欠けるリーダーはもとより、エースと呼べるようなメンバーも見られず、ビジュアル面での総合評価さえ低いまま現状維持がやっとのように思える。これでは、まるで注目に値しない。
ただ先頃、新メンバー加入の発表があったらしい。新メンバーオーデをやっていたことすら知らなかったが、一般から二名、更に研修生からも一名、昇格がなされた模様である。

研修生の為永幸音が加入、正直アンジュ入りは意外だった。元々、ビジュアルが安定していて意欲もあり、ダンスの評価が高い等、ポテンシャル的には本体入りさえ想定出来るほどだったが、いかんせん年齢が高い。最も微妙な位置にいるアンジュとはいえ、デビュー出来るだけ遥かにマシな方だろう。
同様にスキルの全体値が高い米村姫良々は、今回もまた漏れている。研修生ユニットの他のメンバーも年齢層高めで、あまり時間はない。コロナもあるしで各人、相当な焦りがあるのではないか。
お気に入りの研修生である小野田華凜や橋田歩果に関しては、今現在の各グループの枠を見る限り、極めて難しいか。本体の9期辺りが卒業して若返りを図る方向性にシフトするか、小片リサ脱退後のつばきのイメージ一新を狙った穴埋め、こんなくらいでしか可能性はなさそうだ。

興味深かったのは、オーデ加入の松本わかなという子。初見の印象が、幼い頃の鈴木愛理そっくり！？　13歳にしてはやけに幼く見え、℃-uteデビュー時の愛理が出てきたのかと思った。
サプライズ発表時、か細い身体を震わせて泣く姿が、まさに子供のそれ。アンジュのカラーからは想像出来ないような幼子を採ったものだと、心底驚いてしまった。
研修生上がりの為永が端正で矢島舞美似というのもあり、ファンの間で「舞美と愛理が入った」などと揶揄されているのが妙に面白かった。

ちなみに、もう一人の川名凛という子は地味で特徴がなかった。高校生らしく落ち着いた印象があり、サプライズもそれほど動じず、リアクションという点でも物足りない感じか。もう少し、素を出していくべきだろう。
しかし、橋迫鈴と名前が被る辺りといい、若干、貧乏くじ引くタイプなのかも知れない？？

アイドル界におけるハロプロの立ち位置は、黄金期以来、微妙なままだが…更にサブコンテンツ感を出してしまっているように見受けられるのが、他でもないアンジュルムである。
決して何かが劣っているわけでも、他に比べ見劣りするわけでもない。なぜに引き寄せるものがないのかと突き詰めれば、やはり方向性の曖昧さ、グループの色を出し切れていないことが要因であると考えずにはいられない。
思い切った、真新しい素材の注入。より良い意味での化学変化が起きるのを密かに期待させる、新メンバー加入の一報であった。