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2020/03/09

苦しくも愉快な末路

推し武道

コロナの話は、さて置いておきたい。朝から晩まで新型ウイルスの話題ばかりで、いい加減気が滅入ってくる。
ここのところはコロナより、脳細胞を破壊するウイルスにやられたかの如く、日常において精彩を欠いている気がしている。思考停止状態。まるで脳が退化したような、索漠とした安寧に身を委ねているようだ。

以前は全く興味がなかった深夜アニメが、密やかな愉しみとなっている。それも、子供染みた馬鹿馬鹿しい類いのもの。昔は、エヴァのような大人向けの重いものは見たことがあったが、こうも馬鹿げたものを楽しんでいる自分が正直信じられない。
戦国武将が犬に転生する「織田シナモン信長」、地下アイドルの女ヲタが主人公の「推しが武道館いってくれたら死ぬ」など。もう何ていうか、深夜に冴えない中年が見ていたら痛い代物なのだが…本音をいうと、面白いと思えば何でもいいといった節操のなさが染み付いた印象でもある。
日曜はファントミを見て、深夜夜更かしで馬鹿なアニメを見る。こういう人生で結構だ、どうぞ笑ってくれと声を大にして言いたい。

自虐はさておき、この「推し武道」なんぞはドルヲタ歴30年以上になる身からして、正統かつ濃ゆいヲタっぷりが最高にむさ苦しい次第で、共感というよりは微かに感動を覚えるほどであった。
主人公のえりぴよは、パン工場のラインで働き、着るものさえ買わず全てをヲタ活に捧げるジャージ女子。暑苦しいくらいの愛情があり、推しの反応に一喜一憂する様子や、決してプライベートには踏み込まない礼節さも弁えている点など、ドルヲタの見本となるキャラクターに好感を覚える。握手会の複数買いによるループは感心しないが、いちいち熱い心理描写があり、武道館に押し上げる熱意はよく表現出来ているのでは。
実際の武道館はアイドルライブに限っていえば、大半は「武道半」であり、もはや夢の舞台でもない。しかしながら、聖地の象徴としての役割は未だあり、アニメの中でテーマとされるのはごく自然な流れのように思える。
そして、えりぴよが強力に推す市井舞菜が、非常に好みのタイプである。シャイで人見知り故の塩対応、相手を思うが故の頑なな対応がリアリティがあり、不器用ながらの優しさが滲み出る感じが堪らない。それに何といっても、髪型がツーサイドアップ清純派アイドルの醍醐味は、この髪型にあるのだ。もう一度いおう、ツーサイドアップである。

そんなわけで、深夜アニメを愉しみ、ゲームに興じ、美少女アイドルに現を抜かすのが休日の常。日がな一日引きこもることに、ささやかな幸福感を得られる僕には、新型ウイルスなど無縁というわけである。
重症肺炎に罹患して苦しんで死ぬよりは、長大なるドルヲタ人生に終止符を打つでもなく、オタクコンテンツの甘美な苦痛に身を投じていたい。そんな心境に侵され、不愉快な生き様を歩んでいる現実が皮肉めいていて、むしろ痛快でもあるのだ。

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コメント

こんにちは。
僕もシナモン見てますw
よくあんなどーでもいいアニメにあんだけの豪華な声優陣を起用したと職場でも話題になってます。
あとは「ネコぱら」ですね。とにかくキャラが全て可愛い。あんだけ可愛い子は現実にはいませんね。
昔から人間より2次元の方が上とは思っていましたが最近は人間の汚い部分がよけい見えるようになりその思考に拍車が掛かった気が・・・

投稿: 館の主 | 2020/03/19 22:00

深夜アニメを見てると、発想の特殊さや想像力の逞しさを感じます。ぶっ飛んだ設定とマニアックな世界観が、日本のアニメが世界で評価される一因なのかなぁと思ってしまいますね。

僕の場合、アニメはあくまで脳内の風通しを良くする遊びみたいなものです。
生身の三次美少女の方が断然好きですが、見た目のイメージを増幅させて妄想することが多くなりました。内面を知ることで汚さまでいかないまでも、やはり落胆することしきりなもので…。

投稿: santa | 2020/03/20 13:12

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