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2019/07/15

孤高の美少女、胸に秘めた悲哀

DESURABBITS

押し殺した呻き声にも似た微かな響き、それは血の色をした足跡を刻むように心の中の哀切に満ちた何かを呼び覚ます。
もはや鮮血というのではなく、静脈から流れ出た不浄を指し示す、どす黒い赤だ。人は人生を生きるにあたり、喜びや幸福感よりも遥かに大きな苦しみや悲哀を背負っていかねばならない。この清浄な血液が絶え間なく汚れ、黒く濁っていくように…。

耐え難い孤独に苛まれる内に、この寒々しい孤立感が自分だけのような錯覚に陥っていたかも知れない。
表面上には現れない、一種の深い闇に包まれた部分を誰しもが少なからず抱えて生きている。そんな感覚を、ようやく覚えるようになってきた気がする。

地下アイドルとしては、色物扱いされてきたDESURABBITSだが…今年ラウド系に移行してからというもの、部長が後方に身を引き、本格的に音楽性を重視した活動に転換し始めている。
先日、MVを公開した新曲では、メインボーカルであるEMI望月愛実)の歌声を前面に押し出した構成が特徴的だ。彼女の才能については、前から言及している通り、特別なものがある。恐らく、DESURABBITS主要な根幹の大部分を彼女が担っているといっても過言ではないだろう。
この望月愛実について。幼い頃は、わりと大雑把で下世話な印象を受けていた。ステージ上の真面目な印象と、舞台裏での雑な振る舞いに、かなりの落差を感じてしまうことがよくあった。
しかし昨今では、より自らの才能を誇示するかのように、様々なカバー曲をソロで歌ったりしている。本来、低音の効いた声質だったが、伸びやかな高音域を出せるようになって表現力が増した感じがする。
地下においては突出したスキルを身につけ、17歳にして落ち着いた雰囲気も帯びてくるように。無論、他の二人とも良い関係を続けているに違いないだろうが、その才能の非凡さからも「孤高」という形容が相応しいと思えてきた。
僕は、望月愛実が居なければ、DESURABBITSを気にも留めなかっただろう。孤高の存在として地下で名を馳せる美少女は、これからも記憶に残り続け、心の中に何らかの形で影を落とし続けるものと思っている。

さくら学院における推しは、絶対的ではないとはいえ、吉田爽葉香であることに間違いないのは幾度も繰り返している通りだ。
なぜ、絶対的と言い切れないのか? それは、ビジュアル的に眼鏡を外した時の落差が大きいこともあるが、屈託のなさ過ぎる挙動から目立ってしまう落ち着きのなさという点にも、明確に指摘することが出来ると思う。
しかしながら、それは誤解だったのかも知れない。あの屈託のない笑顔は、心の裏側を覆い隠すためのカモフラージュだったのか!?
先日、吉田爽葉香の日誌において、母子家庭であることを告白している。しかも、父親を亡くしたのは数年前というのだ。普通に考えて、数年前というのが二、三年前を示すなら、さくら学院に転入した後ということになる。この事実に、衝撃を覚えた。
さくら在学中に、肉親を失う大きな不幸に見舞われてなお、それを決して悟られることなく今日まで立派に活動を続けてきたというのか。
大の男でも、実の親が亡くなれば人目も憚らず泣いたりするのだ。それをわずか12、3歳の女の子が気丈に振る舞い、父兄のために笑顔を見せ続けてきた。僕は、自らの見識の浅さを恥じ、彼女の強かさを大いにリスペクトするに至ったのだ。

現役の吉田爽葉香が見せた、非常なる心の強さ。人生で直面する悲哀を胸の内に秘めた、少女の笑顔の尊さ。痛感するものがあった。
折しも、ここで脳裏に浮かんだのは水野由結のことであった。昨年秋に「新しい夢に向かって進みたい」と決意表明したにも拘らず、もう二年近くも姿さえ現さずに沈黙したままだ。
株主総会でも多少触れていたようだが、これほど長い間、体調不良が続いていると本気で信じているファンなどいやしない。あるとすれば、心の問題なのだろうが…現役の後輩に、こんなにも強くさくらを支えている子がいるというのに、一体何をしているというのか?
さくら学院愛が人一倍強かった水野由結なら理解出来るはずだが、人生の困難な局面に遭っても決して弱気になることなく、人前に出て元気な姿を見せることこそアイドルの本懐ともいえる。さくらのためを思って頑張った後輩を少しは見習って、先輩らしく自身で決めた道を、しっかりと踏み出して欲しい。いつまでも雲隠れしているようでは、卒業生として示しがつかない。今一度、よく考えて頂きたいものだ。
そよの日誌

崇高な境地に立つ、美少女の秘めたる苦悩と哀しみを物思う。表には決して現さない密やかな孤独と闘い、本当の意味での心の強さを見い出していくその姿勢には、多大なる感銘を受けずにはいられない。

美少女であることそのものが、既に孤高な存在でもある。忘れてならないのは、いかに自分の本質と向き合うか、そして大きな困難に立ち向かえるだけの強かさを得られるか、ということ。
内面の高い素養まで兼ね備えた美少女こそが、真に求めるべき存在なのだと今更ながらに気付いたのだ。

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