原石を活かせない悲しみ
地下アイドルの明確な定義は難しいとは思うが、あくまで個人的には、メジャー以外の知られざる未知のアイドルと認識している。
メジャーアイドルへの関心が薄れ、ただ単純に可愛い女の子だけを求めていくにつれて、子役やモデル、そして地下アイドルの世界を徘徊するようになったのは、以前より言及している限りだ。
いうまでもないことだが、地下のほとんどは見る価値のない「アイドルごっこ」に過ぎず、ビジュアル的にも素人同然、下手をすればそれ以下でしかない、取るに足りない有象無象だというのは事実である。ただほんの僅かながら、将来有望なスキルや容姿を有している子を、偶然にも発見出来る場合がある。まさに、地下に埋もれた原石というやつだ。
情報が少ない故、内に秘められた資質や能力を正確に窺い知ることは難しい。今回は、ビジュアル面のみで目に留まった子を、最近の例として挙げてみよう。
失速が囁かれるももクロが何とか生き残っているのを見るにつけ、侮れない底力を感じさせるスターダスト。手広くアイドルグループを立ち上げる手法は、今後難しくなると予想されるが…若く優れた人材の確保には余念がないようである。
地方支部のアイドル候補生、いわゆるロコドルとは違うと思うのだが、スターダスト大阪営業所所属の若手グループが粒揃いだ。
ブレイクタイムガールズという六人組、驚くべきはその全員が美少女揃いという点である。最初、ネット上で見かけた時は、てっきりメジャーデビューを控えたスタダ渾身の若手グループかと思ったほど。
普通、地下でなくメジャーアイドルのグループでさえも、微妙なルックスの子が何人か居て、それらはスキルメンやキャラ立ち担当といった役割を担うことが多いもの。メンバー全員が可愛いというのは、ビジュアルを売りにした坂道グループくらいだろうか。
それを、より若くフレッシュな面々で揃え、地下で埋もれているというのは、まさに宝の持ち腐れ。スタダよ、しっかりしろと言いたい。
このグループの中で、聞いたことがあるのは松元寧音という子だけか。幼少期より撮影モデルやアイドル業もしていたようで、意外とキャリアがあるようだ。幼い頃よりも大分成長して、美少女としての進化を遂げているように見える。
スタダの人材確保術には一定の評価をせざるを得ないだろうが、それらをいかに活かすか、教育を施し伸ばした上でプロモーション出来るかにかかっている。退行するのみのももクロに代わる、次世代の育成が最も重要視されるべきなのだ。
ネット上を流れる情報の中で、常に注視しているのは未だ見ぬ美少女の肖像。無限に映し出されては消えるそれらから、とりわけ気にかけている要素といえば、幼い面影を残した少女の清純さ、このひと言に尽きる。
珍しい例として、初見でパスしたものの、後から見返すことで再評価する少女が存在すること。目の肥えた僕にしては、極めて稀な例だと我ながらに思う。
岡山のももたまXというグループのメンバーである、七瀬日向という子。情報が少なくよく分からないが、弱冠12歳で今年新規加入のメンバーらしい。
この子が、小学生とは思えない雰囲気で少し髪色も茶色っぽいものだから、つい女子高生だと勘違いして見過ごしてしまった。だが後で、違った写真を見比べることで、思いがけず再評価するに至ったわけである。
非常に大人っぽいのは、確かに否めない。ただ、そこはかと漂うあどけなさ、少女らしい無垢さが共存していて、案外悪くないのだ。透き通るように肌が白く、華奢でスレンダーなところもポイント高い。
現時点で、欠点は歯並びくらいだろうか。純和風の美少女が理想だが、たまにはこんなタイプの美少女も良いものだと感じた次第だ。
まあしかし、この辺境のあまり出来の良くなさそうなローカルグループには、もったいないとは思う。あまり言いたくはないが、この子以外、ビジュアルが酷すぎるだろう。掃き溜めに鶴どころの話ではない。
名古屋のロコドルに在籍する村田万葉にもいえることだが、どこか大手が引き抜いて磨きをかけて欲しい。アイドルとしてのみならず、様々な可能性を秘める稀少な原石を埋もれさせておくのは、我々にとって、いや人類にとって損失なのである。
アイドルの時代が終わったと伝えられてから時が経つが、未だ地下には無限とも思われる世界が広がり、混然とした様相を呈している。
その只中において、煌めく原石を発見した瞬間の驚き、そして湧き立つ歓喜の感情が忘れられず、思いのほか引き寄せられていく。
原石を見つけた喜びは、いつしか失望へと転じてゆくもの。なぜなら、そのほとんどが日の目を見ることなく消えるか、旬の時期を逃して劣化し手遅れになるのだから。
時代が終わったのではなく、流行り廃りでもない。良質な原石を発掘し、磨き育てようという理に適った気質が途絶えたのだ。目の前の利益ばかりを優先し、基本に沿ったアイドルプロデュースが廃れてしまったのだ。
この現実を、心から悲しいと思う。
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コメント
こんにちは。
当たり前のことを当たり前に
普通のことを普通に
こういうことが難しい時代なのかも知れないですね。
ただ可愛くてピュアで一生懸命な子をそのままで魅せてくれれば普通に売れると思うんですけどね。
確かに、発見の喜びは同時に悲しみでも有るってその通りだと思います。
僕はそれに臆病になり過ぎて新しい原石を発見する気力すら無くなってしまいました。
前回のコメントレスで一木有海ちゃんの名前が出て来て懐かしく思いました。僕の中であの子以上の子が未だに出て来てないです。たぶん今の時代ではああいう子はもう出ない気がします。
投稿: 館の主 | 2019/04/15 16:50
今は、多様なアイドルが乱立する時代。様々なアプローチがある中でも、原点は変わらないと信じていますが…。
おっしゃる通りに、飾らないありのままの少女の可愛さが何よりも真実であるはずです。その為に当然のこととしてやるべきこと、それを怠っていたのでは仕方ありません。
失望や悲しみ、やはり期待するほどにありますよね。一木有海の大学生になった頃の写真を見かけました。残念なことに、変な骨格に成長してしまい酷く落胆したのを憶えています。
少女の時は一瞬。だからこそ、この最高の時期にアイドルとして存分に輝いて欲しいと願うばかりです。
投稿: santa | 2019/04/16 20:37