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2019/02/14

カワイイメタルを引き継ぐ者

DESURABBITS

長らく注目してきたBABYMETALへの気持ちは薄らいで、ほぼ「決別」といって差し支えないまでに終止符が打たれたようである。
元々は、さくら学院時代からのゆいもあ水野由結菊地最愛)に対する思い入れの深さから、BABYMETALにも注視し続けてきた経緯があるわけだが…。決して替えの効かない三人だからこその良さであり、いわばカワイイメタルの中核を成していたトライアングルの崩壊をきっかけに、急速に思いは冷めていったようだ。
最も好きだったYUIMETAL(水野由結)の脱退が致命傷になったのは間違いないが、まるで切り捨てたかのようなメンバーはじめ運営側の冷淡な事後処理対応も、完全に愛想を尽かす要因になったのは否めない。
サマソニに出るとか、活動休止になるかもとか、もうどうでも宜しい。あとは、ダークサイドでも何でも好きにやってくれればいい。
はっきり言わせてもらうが、僕が何より好きだったのは、2016年までの最も光り輝いていた頃のBABYMETALだけである。以上だ。

さて、このBABYMETALを失ったからといって、何らかの代替があるわけでもなし。しかしながらBABYMETALを通じて、アイドルしか知らない僕のような者でも、メタルの力強さや音楽性のミスマッチの面白さのようなものが少しだけ分かった気がしたのは確か。
そういった意味で、地下とはいえデスラビッツとの出会いは、この種の最たるものだといえるだろう。BABYMETALとは個々の可愛さや音楽性の点において比ぶべくもないが、初期の楽曲やセンターであるえみ望月愛実)の歌唱力など、見る価値のある部分は点在している。

このほど、約一年ぶりに新曲MVが公開されたようだ。これまでの部長独りよがりなおふざけを一切封印し、意外なまでに硬派な作り込みに少なからず衝撃を覚える。
卒業少女‐未来絵‐」というこの曲は、かつての「デスラビッツ軍の七ケ条」を彷彿とさせる曲調で、メタルの重厚さと澄んだボーカルを前面に押し出した野心作といった感じ。まさに「こういうのを待ってたんだよ!」という心境。これまでの終始、部長の戯れで構成されたMVに、いい加減うんざりしていたところ。メンバーのダンスもろくに見せず、遊び半分で作ったような楽曲の数々に、ともすれば関心を失いかけていたのだ。
この新曲の一新した雰囲気と共に、グループ名を「です。ラビッツ」から「DESURABBITS」、メンバー名もそれぞれ横文字へと表記変更したらしい。衣装に関しても、近未来的なアニメのコスプレのようなスタイルに変更している。
これらについては、さほど関心がないが、EMI脚線美が際立つことに対してだけは大いに歓迎したい。

あくまで部長は脇役、エッセンスに過ぎないというスタンス、肝心なのは女の子であって如何に可愛く、そして真剣に曲作りに励むかという初心に帰った印象がして大変に良い方向性のように思える。
地下の変なグループだと馬鹿にされるかも知れないが、この子達、思いの他パフォーマンスがしっかりしているし、ステージ上の魅力は結構ある方だと思っている。他の素人同然の地下アイドルと同列に語ってはいけない。
以前にも記事にしたが、今や過去のBABYMETALの動画より、DESURABBITSをリピートしているくらいである。
(参照:遠のく少女の輝き
殊に、昨年の台湾のステージを正面から固定カメラで映したファンカムは必見だ。きちんと計算されたフォーメーションに、部長のコミカルさとの対比、EMIの透き通る歌声、心ならずも確かに引き込まれるものがあるのだ。動画リンク
正直、もっと売れてもいいと思うし、そうあって欲しいとも願う。今後、ストイックにこの路線を走るのなら、BABYMETALカワイイメタルを引き継ぐ存在として、ワンチャンあるかも知れない。大いに期待していきたい。

僕の中で、完全に終わりを迎えたBABYMETALへの思い。彼女らの全盛期に成し遂げたものが、いかに偉大であったか語り尽くせないが…そこから絶対に手離してはならない大切なものを無下に投げ棄てた彼女らには、もはや些かの魅力も感じることはない。
本当に大切なものとは人であり、個である女の子の魅力そのもの。可愛さと重厚な音楽性がミックスされた斬新な感覚、そのカワイイメタルというニュージャンルが後世に引き継がれることを、今はただ深く思い願うのみか。

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