« 少女と共存したその先に | トップページ | 個性の花を開かせる美少女 »

2017/12/30

2017年アイドル総決算

松野莉奈

アイドル界隈で盛んに囁かれる終末論、その象徴的な一年となった気がする。振り返るほどに暗い話題ばかりが思い浮かび、明るい話題など皆目見当もつかない。
国民的アイドルグループのメンバーが一大イベントの場で結婚宣言したり、事務所の期待を背負っていた有望若手グループがスキャンダルにまみれたりと、あまりにも非常識な現代のアイドルの振る舞いが、この世界の衰退を加速させているかのようであった。
死に逝くアイドル界を象徴するかのように、本当に命を失ってしまう現役の子まで出てきたりして、完全に混沌としてしまった。この暗黒の年を反復するのは気が引けるが、今一度、歴史の谷間をなぞろうと思う。

年が明けていきなり衝撃が走ったのが、私立恵比寿中学松野莉奈の急逝である。
現役メジャーアイドルの急死、それもかつて少なからず注目していた存在だっただけに、ショックは甚だ大きかった。
死という、夢に生きるアイドルとは全く結び付かない対極にあったはずのもの。それらが突然、渾然一体となった違和感が拭い切れず、現実として受け入れるのが非常に困難であった。
僕の中で最悪の印象として、彼女の存在を思い出させたきっかけとなった出来事。この深い悲しみは、忘れることが出来ないだろう。

生命の灯が消える時
輝いていた少女の情景

ハロプロ本体であるモーニング娘。から主要メンバーが卒業発表し、カントリー・ガールズの解体による移籍・兼任の一連の流れ。極めて悪い方向に進んでいたといえるこの流れは、とどまることを知らずに濁流となって若手の未来をも押し流した。
最も期待値の高かった若手のホープこぶしファクトリーの破綻。素行不良、相次ぐ彼氏の発覚、止まらない流出・暴露。予想だにしないスキャンダルの雨あられで、完全に沈没してしまったのが今でも信じられない。
一方で、全く何事もなく有線の賞を獲ったりしているつばきファクトリーが、こぶしに取って代わるのだろうか。レコ大最優秀新人賞も期待されているし、もうハローの未来は、この子らに託すしかないのかも知れない。

相次ぐ主要メンバー離脱
カントリー・ガールズ解体
こぶしファクトリーの終焉

BABYMETALに聞かれるようになったマンネリ感、そして過剰な搾取によるファン離れの傾向。まだごく一部だろうが、このまま運営の姿勢が変わらず、国内における厳しい露出制限までもが続くようなら徐々に失速していくに違いない。
いつまでも新曲も出さずに新展開もなし、高額チケットやコープスペイントで新規参入を拒む、メンバーは生の声どころかSNSさえ許されない。こんなことでは、ベビメタに明るい未来は訪れないだろう。
YUIMETALのライブ欠席により、電撃解散説まで現実味を帯びてきた今、早急に何らかの手を打たなければ危ないのかも知れない。
一方、さくら学院消極的な活動ぶりも相変わらずか。有料配信でのメディア露出に終始し、ライブ回数も少なく、接触は一切NG。
結構良い人材を揃えているだけに、こうしたいかにもな研修扱い、片手間感が実にもったいない。ベビメタ共々、アミューズには色々と反省して来年に臨んで頂きたいと切に願う。

素顔を解き放つ時機
刻まれた少女期の思い出
BABYMETALの不安な先行き

終焉を迎えつつあるAKB48の時代。いわば、素人をアイドルに仕立て上げる危うさを体現したかの惨状を露呈しているようにも思える。
突如としてアイドルが公の場で結婚発表する、漫画でもないような馬鹿げた話。正直いって、呆れてものも言えないほどであった。
かつて頂点を極めたAKBがこの有り様なのだから、アイドルの世界が終わるのも無理はない。必然的に、興味・関心の中心は単純に可愛い女の子子役やモデル若手女優へと移っていった。
今年ブレイクした浜辺美波を筆頭に、子役の大里菜桜、モデルの林芽亜里花田姫佳など、気になる存在は幾つか見付かった。来年も、下り坂のアイドル界隈よりも、フレッシュな子役やモデルへの注目は増しそうである。

国民的アイドルの終焉
待ち望まれる子役の新時代
浜辺美波の時代
現世にもたらされた造形美

確実に、暗黒の時代に突入したかに見えるアイドル界。本来であれば全ての人々に夢や希望を与え、生き生きとした活力をもたらすはずが、自己中心的な恋愛スキャンダルに奔走し、名実ともに今ある世界に死を蔓延させようとしている。

長年アイドルを追い続けてきた身として、この終焉を認めたくはない。彼女ら一人一人が、今一度考え直して欲しい。アイドルとは、どうあるべきかを。原点に立ち返り、心の奥底に固い信念を刻んで欲しいのだ。
新しい時代を築き再興を望むのなら、アイドルとファンが一体となり、この困難を乗り越える術を熟考するべき。そんな思いに囚われる、年の瀬であった。

|

« 少女と共存したその先に | トップページ | 個性の花を開かせる美少女 »

コメント

あけましておめでとうございます。

僕も去年の日記を振り返って、松野さんのこと思い出しました。
最近いろんなことがありすぎて、何がいつあったか時間が早いようで遅いことも有って何かいろいろ思いました。

アイドルに関しては正直早くブームが終わって落ち着いて欲しいなって思ってます。
アイドルブームでいろんな子がアイドルになる機会が増えてそれは良かったと思いますが、誰でもアイドルになれる弊害もあり、そろそろ本物だけが残る方がいいのかなとも思います。
それになりてもファンも減れば、1人1人を大切にするようになり、本物だけが残るかなとも思います。

ハロに関しては残念なことも多かったですが、一応形だけでもつばきファクトリーが様々な賞を獲れたので来年につなげて欲しいと思います。研修生の子達からしても、自分達に近いつばきの受賞は自分達の未来につなげられるきっかけになるかなと思います。
子役の世界もブームが落ち着いて映るに値する子だけが残って行ってくれればいいと思います。

いずれにせよ、醜いものしかない現実の中で夢の世界だけでも美しいものを見たいっていうのが僕の本音です。

投稿: 館の主 | 2018/01/03 12:00

今年もよろしくお願い致します。
とてもネガティブな話題ばかりが目立った昨年から、アイドルの時代の終わりを如実に読み取れますね。いわゆる、本物だけが生き残る少数精鋭化には大方賛成ですが、やはり全体的に下火になってしまうのは少し寂しい気もします。

ハロプロについていえば、体制が変わった頃から徐々に異変が出てきた感じですね。カンガル解体や若い世代の心の緩みなど、精神の病を発症するメンバーが出始めたのもこの頃です。
正直、つんく体制の方が楽曲を含め良かった気がしています。いずれにしても、こぶしの解体を早急に執り行い、膿を出して刷新を図らないと大変なことになるでしょう。
ハロプロもアイドルの世界全体においても、本当に危機感をもって、強い意志のもとに困難を克服して欲しい思いで一杯です。

投稿: santa | 2018/01/03 20:19

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 2017年アイドル総決算:

« 少女と共存したその先に | トップページ | 個性の花を開かせる美少女 »