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2016/11/23

王道アイドルを物思う時

森崎美月

ももいろクローバーZのアメリカ公演が、非常に厳しい洗礼を受けたようである。想定されていただろうが、現地動員に大変苦慮し、各会場が空席の目立つ状況になってしまったのは否めなかったらしい。
ほぼ半数以上が日本人の遠征組というのを見ても、わざわざアメリカでやる必要があったのか疑問が残る。ただ、積極果敢に海外、特に欧米への進出を推し進めることは決して悪いことではないと思うが…。

こうしたスターダストによる様々な活動を見るにつけ、その複雑な組織図や突拍子もない展開に困惑し、どうにも掴み切れない感覚を覚えるのは僕だけだろうか。
そもそも、スタダのアイドルは奇抜さやイロモノ色を強めた雰囲気が特徴で、正統派という感じではない。それはまあ、特色として良い面もあるのだろうが、何しろアクの強いグループが多く見られ戸惑いを感じてしまうのだ。

ももクロの妹分として、エビ中など複数のアイドルグループを有し、それらを芸能3部から擁している。更にこの芸能3部は女優部門、アイドル部門から成り、他にも少数所属のCM部門など多岐に渡る構成となっていて、とにかく分かりづらい。
このCM部門に属する、森崎美月という子の「USJユニバーサル・ワンダー・クリスマス」CMが素晴らしい出来映えで、最近見た子役CMの中でも殊更印象に残った。
ソフトフォーカスの幻想的な描写に映える、美少女の清廉さ。愛らしい笑顔と端正な容貌が際立つ、絶妙な演出に深く心打たれた形となったわけだ。まさかスタダの子とは思わなかったが、まさしく、らしくないほどの正統派美少女である。

昨年のミスセブンティーンで、モデル活動に移行すると思われた坂井仁香が、予想に反しアイドルとしてのメジャーデビューを果たした。これも意表を突かれた出来事だが…元来、アイドル活動に意欲的であり、愛嬌溢れる彼女ならではだろうか。
ときめき宣伝部というグループの存在は、なぜかおはスタ坂井仁香が出ていることに驚き、そこで初めて知った次第だ。とにかく騒がしく元気溌剌としたパフォーマンスで、いかにもスタダアイドルっぽい雰囲気。売れるかどうかはともかく、坂井仁香がセンターを張るグループならば、華があって良いに越したことはないだろう。

ひとつ、気になった子役の話題も。ご存知、鈴木梨央がシングルリリース、そのリリイベにおいて、明らかにオタオタしいオッサンらとツーショット撮影に応じ、大きな反響を呼んでいた。
人気子役でありながら、オッサンにも優しいサービス精神の良さには感心する。天狗になって大物感を出していたことのある芦田愛菜や、大きなお友達を徹底排除していた福原遥などに比べたら、ずっと好印象である。
ビジュアル面では残念ながら評価外だが、演技の才能はもとより、こういった親近感や優しさには最大級の評価をしてあげたい女の子だ。
ときめき宣伝部

スタダを始めとしたエネルギッシュな印象と奇抜さ、オリジナリティを前面に押し出したアイドルの存在。痛烈な影響力重視の戦略に特化したプロデュースとマーケティングは一理あると認めるが、しかしそれは決して王道ではない。

ただひたすらに、少女ならではの可愛さや清楚なイメージを逸脱することなく、楽曲やパフォーマンスを磨きつつ正統派路線を突き進む。
それこそが王道アイドルの真髄に他ならず、飾りのない、美少女のありのままの魅力に浸れることこそ最も大切なはず。そんな風に物思う、暮れの一時なのだ。

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