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2015/12/17

消えたソロアイドルの夢

武藤彩未

武藤彩未が23日の赤坂ワンマンライブをもって、活動休止を発表した。事実上、ソロアイドル活動が頓挫した形となる。
大手のアミューズが、さくら学院を通して手塩にかけて育て上げ、多大な期待をもってソロデビューさせたものの、全く結果を出せないまま姿を消すことになってしまった。さくら時代の輝きが色褪せたこともあるが、肥満化統一性に欠けるプロデュースなど、全体としてマイナス要素ばかりが目立ち、とうとう致命傷に至った感がある。
さくら学院の同期卒業生である三吉彩花松井愛莉が、女優やモデルとして活躍し、可憐Girl'sの盟友である中元すず香が、BABYMETALの歌姫として世界を駆け巡る現状。この大きな格差が、武藤彩未本人の焦りと、プレッシャーを加速させた傾向も見受けられる。
いずれにせよ、非常に残念である。彼女が復帰した当初は大いに期待を高め、ソロアイドルの新しい時代を、必ずや築いてくれると信じて疑わなかった。こんな結末になるとは夢にも思わず、失意のどん底に落とされたようだ。
(参照:武藤彩未 始動の時

今思えば、以前にも比較対象に挙げたハロプロ真野恵里菜の方が、遥かに王道と呼ぶに相応しい、ソロアイドルの道すじを辿っていたかも知れない。月並みではあったが、ベタなくらいの正統派アイドルであったろう。(参照:見落としていた感覚
武藤彩未の場合、最初から80年代を意識した楽曲とイメージを柱として、スタートしていた。それ自体は悪くないが、結局のところ、そこからオリジナリティを見い出すことが出来ず、髪型や衣装をいたずらに変えたり、生バンドを付けたりと、極めて表層的な部分での刷新で無理に化学変化を起こそうとした。これが、そもそもの間違いなのである。
ソロは一切の誤魔化しが効かない故に、確固たるコンセプトに基いたイメージの構築が、絶対の条件となる。それは、本人の魅力を引き出す最も適した髪型を固定化することであり、清純派のイメージを逸脱しない衣装のチョイスであり、何よりも自身の音楽性に拘りをもって地道に下積みを続ける粘り強さにある。それら全てが定着するのに数年は要し、決して一筋縄ではいかないのだ。

そして、いうまでもなく肥ってしまったことの悪影響の大きさたるや、致命的といっても過言ではないはず。
グループアイドルとは違い、ソロでは全く誤魔化しが効かず、思い切り人気の低下に直結してしまう。武藤彩未の場合、今年の初め辺りに急激に肥ってしまい、丁度その時期にテレビ出演などメディア露出が相次いだことで、酷いイメージを拡散してしまった感じだ。
今現在でも、当時のキャプチャ画像などがネット上に大量に出回ってしまっていて、この先の彼女の芸能活動においても汚点になってしまうだろう。(参照:アイドルの光と影
更には、ライブ直前には短期間で絞り、その後すぐにリバウンドするというのを何度か繰り返していて、まるで減量前のボクサーのようだとファンに揶揄される始末。これでは、プロ意識云々というより、ファンの信頼を失ってしまうのも仕方ないかと思う。

こうして、ソロアイドルとしての最低限必要な嗜みを怠ったために、当然のような没落を遂げてしまったわけだ。
もし彼女が、自身のイメージに対し、もっと重点を置いた心配りをしていたなら、自己管理を徹底し、ストイックなまでの体型維持が出来ていたなら…本来有していたアイドル性と歌唱力、トーク力を武器にして、ソロアイドルの一時代を築いていたものと確信している。
無惨にも、全ては灰燼に帰してしまったのだ。この喪失感は、どうにも耐え難いものがある。

アイドルを諦めた武藤彩未に残された道は、あまり多くはないと推測する。女優やモデルをやるには背が小さ過ぎて存在感がないし、本格的な歌手、アーティストを目指せるほどの歌唱技術を持っているわけでもない。
可能性としてあるのは、バラエティ番組等のMC、アシスタントといったトークを回せる技術を伸ばし、活かすことくらいか。いわゆる、こじるり小島瑠璃子)のようなポジションを狙うしかないかと。アナウンスなどの勉強をするのも、きっと良いかも知れない。

かつての美少女、過去の栄光、あの頃の輝き。そういった類いの言葉には、あまりにも馴染み過ぎて、もはや郷愁ですらない。ただひたすらに胸が切なく疼き、虚しい思いが広がるだけだ。
またひとり、少女が逝った。それは在りし日の思い出と共に消えた、美少女の肖像。アイドルという甘い夢の中でさえ生きられなかった、僅かな残り香。遠い記憶に封印されるべき、失意そのものだったのだ。

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