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2015/11/02

デスラビッツの可能性

望月愛実

最近、よくデスラビッツを聴いている。まあ要は、しこたま調子が悪いというわけだ。
社会の最底辺で、人生の苦境に喘いでいる割りには、つまらないプライドを捨て切れない自分がいる。妙に気取って、一時を取り繕おうとする自分に気付く度に、自己嫌悪に陥ることも、しばしば。
わけの分からない馬鹿馬鹿しい世界観に浸っていると、分に相応な感じがして、やけに落ち着いた気分になる。馬鹿な振りをして、酔っ払ったような感覚で、人目も気にせず手軽に楽しめそうなもの。それが、僕にとってデスラビッツになりつつある。

どうしてもBABYMETALを連想してしまう存在ではあるが、音楽性という点で見る限り、全く比ぶべくもない。アイドルソングとデスボイスの掛け合わせ、ともすれば似たような曲調のものばかりで、音楽性を評価出来るような代物ではない。
(参照:新ジャンルの波及効果
しかしそこには、開き直ったかの悪ノリに近い勢いがあり、独特すぎる世界観というのも確かに存在する。ファンを巻き込む団体芸然り、部長が幅を利かせるストーリー仕立てのMV然り、台本に忠実な女の子の素直さ然り。
一点だけ、感心したことを挙げるなら、ある程度きちんとしたレッスンを受けているのが覗えたこと。女の子らのダンスは結構よくまとまっているし、ライブは基本生歌で、恐らくはボイスレッスンもしているように思える。そこいらのロコドルの、お遊戯レベルではないらしい。

そして、とりわけ異色な部長の存在。常連のファンとのやり取りは、ほぼお約束であり、部長が本気でユニットから抜けるのは有り得ない。
全面プロデュースをしているのかどうか知らないが、部長メインの曲まであり、はっきり言ってやりたい放題。臨機応変なトークスキルを有しており、ちょっとした芸人並みに場を盛り上げることも出来る。
新曲「なんで?」MVでは、全編を通して部長の失恋ストーリーが盛り込まれていて、鬱陶しいことこの上ない。女の子を映せ、女の子を…と思いつつも、あまりの馬鹿馬鹿しさに、つい笑ってしまう。何とも憎めないオッサンなのである。
そんな部長も、秘かにBABYMETALを意識しているらしく、なんでもYUIMETAL(水野由結)推しだとか。なかなか見る目のあるオッサンだ。

もうひとつ、強調しておきたいのは、意外な女の子の可愛さ、それとキャラクターの絶妙なバランスである。
センターの望月愛実を中心に、しっかりとMCを回す大川柚と、おっとり天然な雰囲気の安井夏鈴アイドルグループ奇数最強説を裏付けるかのような、彩りのあるメンバー構成が際立っている(部長は除く)。
やはり特筆すべきは、望月愛実の歌唱力だ。まだ発展途上とはいえ、声質が澄んでいて伸びがあり非常に心地良い。初見で「デスラビッツ軍の七ケ条」のMVを見たが、思いがけず圧倒されたものだ。中学生ながら幼く愛らしい容姿も魅力的で、まさにデスラビッツの中核を担っている逸材だといえよう。

デスラビッツに続いて頭角を現した存在に、LADYBABYがいる。先日、ニューヨークなどの海外公演を実現していたらしい。
その時の動画を見る機会があったが、ただ勢いよく暴れまわっていただけのようだ。大して歌の上手いメンバーもなく、見た目のインパクトに任せた、本当にただの一発屋になると思われる。
正直、デスラビッツのライブの方が楽しめるだろう。事務所が弱小なのか海外進出の話は聞かないが、アジア圏の近場でも良いので、海外公演も検討して欲しい。比較的、外国人のツボにはまる要素はあると思う。
年末には、LADYBABYとのコラボライブも予定されているとか。この際なので、LADYBABYの勢いに乗せられるのもアリだろうか!?
デスラビッツとLADYBABY

ただひたすらに馬鹿馬鹿しい、呆れてものも言えない。こんなのアイドルじゃない、メタルでもない。もう滅茶苦茶だ。
しかし、面白い。とりあえずリピートする。苦笑するしかない。そして、可愛い。

アイドルとしては有り得ない、数々のエッセンスを散りばめた異色すぎる存在感
前代未聞の常識破りを果たしたデスラビッツは、停滞するアイドル界のカンフル剤となり得るのか? その可能性に期待してみたい。

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