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2014/09/17

新たなアイドルの時代

モーニング娘。'14

これまでのアイドルの長い歴史を振り返ると、そこには「」と呼ぶに相応しい華やかさ、可愛さが溢れていたのを認めるものの、強いて「実力」をも兼ね備えていたかと問われれば、少なからず疑問は残る。
歌の下手な歌手、台詞棒読みの演技、盆踊りばりのダンス。そんな体たらくでも、アイドルならば許され、メディアでもてはやされ、ブレイクに至ったケースも多々あるのだ。

そうした、いわば過去を踏襲した最も王道に近いアイドルが、現在のAKB48であり、いうまでもなく、今なお頂点に君臨しているといえる。
ただ、長年アイドルを見続けてきた僕にしてみれば、ややもすると食傷気味であり、物足りなさを感じてしまうのが正直な気持ちだ。
時代の流れと共に、新しい勢力が進出してきたことは、ドルヲタ諸君には周知の事実だろう。そして、それらを歓迎する向きも、徐々に出始めている。そう、つまり実力派アイドルの時代が到来しつつあるのだ。

誤解して欲しくないのは、僕自身、アイドルとしての王道は尊重したいということ。
AKBのように、ファンとの距離感を重視し、親しみやすい素人味を前面に出すのも決して悪くはない。スキャンダルの対応の悪さによって嫌悪感を抱いているが、AKBのコンセプト自体を否定するつもりは全くないのである。

近年、実力至上主義の印象が強まったのが、ハロー!プロジェクトだろうか。
一時代を築いた黄金期の頃からも、実力を重んじる傾向は見えたが、プラチナ期を経て更に拍車が掛かった感がある。
AKBが誰でも真似出来るダンスで人気を博する中、素人では真似出来ないモーニング娘。'14のフォーメーションダンスにも注目が集まった。
アイドルらしからぬ高いパフォーマンスはリスペクトの的となり、モー娘。の再ブレイクに至る原動力にもなったのだ。

ハロプロはAKBと違い、非常に厳しいオーディションを経て正規メンバーへの道が開かれる。顔が可愛いだけでは通用せず、むしろそれよりも、歌唱力やダンススキルなどの評価が優先されている節さえある。
研修生制度はあるものの、何年頑張ってもユニット入り出来ないケースがザラだ。確かな実力がなければ、どんなに可愛くても上には上がれない。AKB研究生のような大抜擢は、決してありえない厳しさなのだ。
基本生歌なので、大きなステージでも声が通る発声法を叩き込まれるし、複雑なダンスのフォーメーションも覚えなければならない。
結果として、コンサートでは、高いチケット料に見合うパフォーマンスを堪能出来るというわけだ。

言い方は悪いが、AKBのパフォーマンスは、学芸会レベルである。
無論、これまではそれで十分だったのだが、高い実力を持った新興勢力が進出してきた今、大きく見劣りするのは仕方ない話なのだ。
そして、一方としては、実力が伴っていなければ、海外進出を考える際に致命的になるとも考えられる。
実際に、海外でのハロプロ人気には定評があり、AKBの知名度は低いといわざるを得ない。台湾や韓国など近隣諸国の知名度しか獲得していないAKBに対し、ハロプロはアジア圏はもとより、フランスや北米南米に至るまで幅広い人気があるのが事実だ。
アイドル文化が定着していない海外においては、純粋に実力が評価される傾向が根強い。「学芸会」では、相手にもされないのだ。(参照:世界的ヒロインの胎動

海外で成功している例としては、やはりBABYMETALも挙げておきたい。
恐らく、国内では、よく知らない人から見ればイロモノと映るかも知れない。だが、それはとんでもない誤解だ。このユニットは、非常に高い音楽性と考え尽くされたギミック、それに才能溢れる少女のカワイイを加え、独自の色に染め上げた、前代未聞の存在なのである。
名門アクターズスクールで鍛え上げた中元すず香の歌唱力は凄まじく、ゆいもあのダンスもキレッキレで躍動感抜群だ。
以前に、ミュージックステーションにて、AKBとベビメタが共演したが、その対比が酷いものだったのを憶えている。全口パクで、ただ飛び跳ねているだけのAKBに対し、一流ミュージシャンである神バンドを引き連れ、圧倒的な生歌で歌唱力の差を見せつけたBABYMETAL
(参照:美少女アイドルへの崇敬
斬新さが海外で受けたと思われがちなベビメタだが、確かな実力が根底にあっての総合評価だと僕は見ている。アイドルには必要と思われなかったものが、欠かせないものになりつつある。そんな予感を強くする、ベビメタの世界的ブレイクなのである。
BABYMETAL in Paris

とりわけ秀でたものがなくても、可愛い女の子がひた向きに努力する姿や、誠意を尽くしたファンアピールがあればいい。そうした従来のアイドルのあるべき姿は、徐々に形を変えつつあるのかも知れない。

より本格的なパフォーマンスが求められ、才能のない者は淘汰されていく。アイドル戦国時代と呼ぶに相応しい、妥協なき実力勝負へと。
新たなるアイドルの時代が、もうすぐそこまで来ているのだ。

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