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2014/08/01

アイドルのあるべき姿

東京女子流

アイドルグループがひしめき合う現状において、それらがどういった活動を展開し、どれだけ多様な発信をしているのか把握するのは、甚だ難しい。
メディアの多様化によって、たとえどんなに力のないグループでも、いくらでも世間にアピール出来てしまう構造もある。見る側にも、本当の実力や隠された魅力を見い出す、研ぎ澄まされた視点が必要になりそうだ。

とりあえず実力はさておいて、ファンとの距離感重視や、多人数構成の人海戦術が功を奏したAKB48全力パフォーマンス他ジャンルの積極的な取り込み奇想天外な演出効果により、のし上がったももいろクローバーZ
こうして見ると、成功しているアイドルグループの方向性は、一貫しているようにも思えたが、極めて多角的であるのが理解出来るだろう。
ひとつの方向に固執することは、いわゆる「おまいつ」を生むだけで、裾野の広がりには繋がらない。そうした理由によって、低迷している存在が決して少なくないようにも思える。

BABYMETALの華々しい欧州ツアーの陰で、あの東京女子流も、アメリカ進出を果たしていたらしい。
元々、世界展開を視野に入れて結成された節のあるグループだが、エイベックスが思うほどのブレイクには至らず、海外進出は滞りがちだったのは否めない。ただ、一貫して楽曲の質の高さは維持しており、メンバーの成長もあって、徐々にではあるが着実に前進している感はある。僕自身も、「キラリ☆」、「鼓動の秘密」、「Partition Love」などの曲は、大変にお気に入りだ。
サンフランシスコで催されたJ-POP SUMMIT FESTIVALにて、アメリカ初登場。小規模会場ながら、海外のドルヲタを集め好評を得たようだ。
BABYMETALの5万人を沸かせた、英Sonisphereとは比べ物にはならないが、それでも十分に意義深い第一歩となっただろう。

何かとBABYMETALと絡む理由としては、やはり武道館公演が挙げられるか。
2012年に、それまで非公開だった年齢を明かしてまで最年少記録を樹立したが、今年、あっさりとBABYMETALが更新。「武道半」という、あまり宜しくない言葉を定着させた代表というイメージまである。
ステージの設置方法や、その他の機材置き場、客席の設定などにより、動員数を多く見せかける手法である。一万人の武道館といわれるが、実際には、その半分であったと囁かれている。
対して、BABYMETALの武道館は、中央にステージを配し、周囲を客席で取り囲む形状から、一万人近い動員があったのではないかと推測されている。
別に女子流を責める気はないが、「武道半」で武道館公演成功を謳い上げるのには、やはり違和感がある。そうした偽りの名声に頼るのではなく、一歩一歩、身の丈に合った成長を見せてくれる方が、ファンとしても楽しみがある。格好をつける必要など、全くないのだ。

格好をつけるといえば、ことさらダンスの実力を前面に押し出したグループである、フェアリーズFairies)が思い浮かぶ。
全国のダンススクールから選抜された、エリート集団というイメージ。世界一にもなったダンサーが講師を務めるという点からも、そうした印象は、より強まった感じがある。
ただ、残念ながら、グループの動向としては、かなり低迷しているといわざるを得ない。CDの売り上げは伸びず、デビューから三年経った今も大規模なライブが催せない。
要因は様々にある。デビュー当初からいわれていた、楽曲とメンバーの不釣り合いな面は、今なお是正されているとは思えない。
大人っぽい、セクシーな雰囲気さえ織り交ぜた楽曲を、現役女子中学生が歌う不自然さ。ダンスは確かに高レベルであるものの、これではドルヲタはついてこない。代わって、若い同年代女子からリスペクトを集めたが、ある意味、これは最悪の展開だった。
当然ながら若い女の子は経済力がなく、金を落とさない。しかも飽きっぽいので、すぐに離れていってしまう。対して、ドルヲタは比較的金回りが良く、好きとなれば一切を惜しまず投資する。長く応援し続けるのも特徴だ。
ダンスや楽曲の格好良さを追求したフェアリーズは、結果として、同年代女子という、無用の長物を背負い込んでしまったわけである。

さすがに、この失態に運営側も気付いたのか、いわゆるヲタ向けのサービスに慌てて力を注ぐことになる。
アルバムの予約特典などで開かれた、2shot撮影会では、メンバーがファンの男性と抱き合うような過剰すぎるサービスが見てとれた。
これには、むしろドルヲタサイドからも反発の声が多く上がった。彼らが欲しているのは、気品ある天使のような夢溢れる存在であり、キャバクラのホステスなどではないと。どうも、今のフェアリーズは、運営共々、ちぐはぐになっているようだ。
打開策を見い出すため、林田真尋藤田みりあ下村実生による新ユニット結成、先月にはセンターの伊藤萌々香がソロデビューと、新たな展開に躍起になっている。これらも、さほど話題にはなっておらず、空振りする気配が濃厚である。何とも困ったものだ。
もう少し、抜本的な方向の転換を進めた方が良い気がするが、今さら無理なのだろうか。疑問である。
フェアリーズ

乱雑としたアイドルの世界においても、決して変わらないものがある。そのひとつは、ファンサービスを忘れない心がけでもあり、その方法を限定せずに幅広く働きかける柔軟性でもある。

自分を大きく見せる必要は全くなく、自然体で着実に階段を上る少女の姿勢こそ不可欠。その美しさは比類なき健全なる姿であり、アイドルのあるべき道すじに通じている。そう、強く確信するのだ。

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