2013年アイドル総決算
一言でいうなら、これまで以上に孤独を深めた一年。それはある意味、束縛からの解放ともいえるのだが…心が凍てつくかの孤独感に苛まれた結果、前向きな思考を忘れ、より一層に自らの行動力を失っていった。
気が付けば、周囲はひと息に時間を縮め、僕はその場に静止したままであった。そんな、全く何の内容もない一年。
アイドルへの興味、関心も薄れかけ、ともすれば生き甲斐を見失いそうになることも、ままあった。
いわゆる、絶対的な推しが見つからない、もどかしさが根底にあったようにも思う。少なくとも、かつての熱いときめきや高揚感は、遥か遠くなったのは確かか。
そうした虚ろで惑いがちな心持ちを辿りつつ、この一年を改めて振り返ってみたい。
最後の身内といってもいい父を亡くしてからの、孤独の幕開け。突然の出来事に戸惑う心情が、不思議なことに、激しいメタルサウンドにリンクした。
メタルダンスユニット、BABYMETALのメジャーデビュー。まさに世界的規模で反響を呼び、異色アイドルとしての人気も急上昇した。
サマソニでのメタリカとの共演、海外ワンマンライブと、話題に事欠かず、まさに破竹の勢いであった。
来年春には、早くも日本武道館2DAYSを決め、その勢いは留まることを知らない。来年の新展開にも、大いに期待が持てる。個人的には、北米、欧州での初ライブを是非とも実現させて欲しい。
「清楚で瑞々しい美少女揃い」という点に惹かれ、推しといえなくもないさくら学院だが…あの人が抜けてからは、幾分の綻びを感じずにはいられないかも知れない。
武藤彩未の活動復帰。これは確かに、僕にとって、今年の大きなニュースであったのは間違いない。
80年代アイドルへの回帰というテーマは、彼女のイメージにぴったり合っていたと思う。現役のトップアイドルでさえ見失いがちな、原点ともいうべき素養を、既に身に付けていることが何より素晴らしい。
単純にアイドル性というが、そこには可憐な可愛さ、気持ちを伝える表現力、人を和ませる温かな人柄と、様々な要素が凝縮している。
来年はもちろん、メジャーデビューに向けての飛躍の時として頂きたい。
アイドルのあるべき姿を意識させたのは、やはり頂点に立つ者の影響が多分にあったろう。
最もタブーとされるスキャンダルにまみれたAKBの、無様な体たらく。それでもなお支持され揺るがない現状に、生粋のアイドルファンとしては失望を禁じ得なかった。
指原莉乃がトップに祭り上げられる事態に際し、長年守られ、誰もが信じ続けたアイドルの夢が壊れる思いがした。いわば、一般層を取り込んだ国民的アイドルの、多大なる弊害を目の当たりにしたわけである。
ハロー!プロジェクトの再編論は、時期的に避けては通れないだろうと考えていた。
特に、順調に世代交代したモーニング娘。の再ブレイクが物語る通り、不良債権化しつつある既存ユニットの刷新が求められるのは、ごく自然の成り行きであった。
紅白の意図的ともとれる除外など、単にネーミングの変更だけで拭い去れるほど根の浅い問題ではない。有望な研修生を主体とする新ユニットを加え、大幅な若返り、円滑な世代交代を促すべき大事な契機に差し掛かったといえる。
ハロプロ全体としてフレッシュに生まれ変わり、2014年こそは、AKBに取って代わる存在感を出して欲しいものだ。
見渡せば見渡すほどに、膨大に拡がり続けたアイドルの世界。一見して彩り豊かで、華やかに飾られたその世界は、実のところ、目に見えない汚さや歪みで変貌してしまっている。そんな印象が、苦々しく胸を締め付ける。
冷たい孤独の淵に立ち、どれだけ癒しを求めても、心の支えとなる輝きは見つけられなかった。新たな時代を迎えての希望や期待感は、最早そう多くない。
甘い夢に溺れるほどに、身を委ねられる美少女アイドルの出現。そんな願いさえも、文字通り、夢と消えてしまうのだろうか。
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