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2013/08/12

音楽的潮流というより荒波

メタリカのカークと

BABYMETAL本格的に始まったと、巷で囁かれ始めた。
主要な音楽フェスにおいて、その存在感を誇示し、国内最大級のサマーソニックでは、あまりの盛り上がりに刺激を受けた新規を大増員したらしい。初見のオーディエンスの、興奮気味な絶賛ツイートが止まらなかったとのこと。
更に、激しいメタルサウンドと、少女の「カワイイ」が融合したベビメタ独自の音楽性に、海外の名のあるメタルバンドが次々に魅了され、メロメロに骨抜きにされてしまったと聞く。
その界隈では大御所と呼ばれる、メタリカというバンドのメンバー(ラーズ)が、ベビメタライブを堪能。遂には、舞台裏で一緒に写真に収まってしまうという事態にまで。
上の写真のカークという人は世界随一のギタリストと聞いたが、メタルのことを全く知らない僕には、これがどれだけ凄いのかよく分からない。この写真で大騒ぎになっているのを見ると、とにかく、とてつもないことなのだろう。

恐らくは、こういった発想は海外では有り得ないらしい。メタルという独創性の高いジャンルに、まだ幼い少女のアイドル要素を、強引にくっつけてしまう。
しかしながら、絶妙なバランスを保ち、不思議とうまく溶け合っている。そこを基本に、「和」やラップなど、様々な要素を加えることによって、見る者を決して飽きさせない工夫を凝らしている。
メンバーのポテンシャルも、決して見過ごせない。SU-METALこと中元すず香の歌唱力は際限なく上達しており、今や同年代で肩を並べられるアイドルは皆無といっていい。プロ根性と意欲も図抜けていて、その迫力あるパフォーマンスは目を見張るものがある。
脇を固めるYUIMETAL水野由結)とMOAMETAL菊地最愛)のダンスも、ここ最近、冴えてきているのが分かる。聖誕祭では、アレンジしたハロプロ曲まで披露し、独自色を出してきてもいる。二人のオリジナル曲「おねだり大作戦」が、メタル的な萌えを表現している辺り、実に面白い。

パフォーマンスという点でいえば、完全なオリジナルの世界観でありながら、メタル特有のコミュニケーションを自然と呼び起こしているところが興味深い。
定番のサークルモッシュは、ここにきて巨大化する傾向にあり、異様な盛り上がりに拍車をかけるようだ。アイドルライブでは到底考えられないダイブも頻繁に発生しており、純粋なドルヲタにとっては、極めて危険な様相を呈している。
最も危険なのは、「イジメ、ダメ、ゼッタイ」のゆいもあ全力疾走(かけっこ)にて発生する、ウォール・オブ・デスと呼ばれるモッシュ。全員で激しくぶつかり合うもので、過去には死者すら出たといわれている。断っておくが、一応、アイドルである。
イジメ」が、さくら学院ライブで発表された当初は、曲中のゆいもあバトルをファンが真似て、はしゃいでいたのがせいぜいであった。
あの頃と比べれば、随分と様変わりしたものだ。(参照:武藤彩未の真骨頂 もはや、異常とも思える高い人気を獲得しているのは、この盛り上がりを見れば明らかなのである。

余談だが、あのモーニング娘。が、BABYMETALの振り付けをパクったと僕は見ている。オリコン一位を獲得した「ブレインストーミング」での、鞘師里保石田亜佑美が殴り合うような振りが、ゆいもあバトルとそっくりなのだ。
歴史ある有名アイドルグループにまで模倣される、ベビメタの多大なる影響力。実に、侮りがたしである。
(違っていたら申し訳ない。モー娘も好きなので)
チープ・トリックと

新たな音楽的潮流というよりは、膨大な荒波と化して、ますます勢いを増してゆくBABYMETAL。どんな強固な防波堤でもものともせず、全てを薙ぎ倒して呑み込んでいくその力に、何か得体の知れない恐ろしささえ感じ得る、常識を超えたニューウェーブである。
神々が降臨した美少女のもたらす、揺るぎない魅力の底知れなさ。今日、この時ある命を燃やし尽くすほどの衝撃をもって、異なる世界を物々しく席巻しているのだ。

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コメント

いまさらながらのフォローですが。
カークは別に「世界随一のギタリスト」ではありませんが、メタリカは紛れもなく世界随一のバンドです。若いころメタリカにはまっていた身としては、「カー君なにしてんの?」といった感想です。
ま、メタリカと双璧だったメガデスのギタリストであったマーティ・フリードマンがモー娘最高などと言っているところを見ると、あの世代のおっさんの何かをくすぐっているんでしょう。

投稿: けんた | 2013/10/07 00:28

そうなんですか。ご指摘、ありがとうございます。

メタリカはライブの動員数も桁違いで、数々の逸話を残されたとか。
そんな偉大なメタルバンドの目に、ベビメタがどう映ったのか、大変興味深いですね。
何らかのタイアップでもあれば面白そう。期待します。

投稿: santa | 2013/10/07 20:47

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