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2013/07/07

神聖なるアイドルの領域

大塚愛菜

すぐ目の前に、手の届く距離にあった大きなチャンス。掴み損ねたのならまだしも、自ら進んで手離すことなど果たしてあるのだろうか。

ハロプロ研修生ユニットJuice=Juiceのメジャーデビューが決定。モーニング娘。はもちろんのこと、Berryz工房℃-uteなど、躍進の続く他グループに続けとばかり、新たな若い力にも大いに期待が寄せられた。
しかし、衝撃的な報せが、この熱い期待感に水を差すことに。メンバーの一人である大塚愛菜が、よりによってこのタイミングで突然の脱退となった。事務所と本人家族との間で、メジャーデビューに関する契約条件が合意に至らなかったとのこと。
あり得ない理由により、メジャーデビューという、アイドルを志す者なら誰でも目標とするビッグチャンスを、いとも簡単に棒に振った形になる。

契約条件云々で卒業脱退が今まであったかどうか知らないが、これだけ露骨に理由を明かすからには、相当に揉めたのは間違いない。
ハロプロのような大手が無理難題な条件を課すとは到底思えず、アイドルに関し家族との認識の食い違いが、かなりあったのではないか。いわゆる学業との両立や、通いに際しての交通費等、金銭的な問題15歳という年齢ならではの懸念材料は限りなくあったことだろう。
しかし、いずれにせよ、お粗末な話である。本人の本意はモー娘。オーデを受けた経緯からしても、メジャー志望は明白だ。それらを前提とした上で研修生となり、レッスンに打ち込むのを家族は了承したのではないか? 真相は窺い知れないが、もし親が子供の可能性を奪ったのならば、これほど残酷で悲しい話はない。

そして、本人の意欲の問題もある。いくらやりたくても、15歳だから未成年だから諦めるのか。ずっと胸に抱いてきた夢を、親の反対で簡単に捨てられるのか。僕は、そうは思わない。
本当に、人生を賭けて思うものがあれば、死に物狂いで家族を説得しないか。熱い思いを必死に訴えようとしないか。最後のブログ更新は実に淡々としたもので、悔しさや真剣さは微塵も感じられなかった。締めは「ばいちゃーこ」である。
メジャーデビュー発表のサプライズでも、一人だけ無反応で動揺する他メンを笑ったりと、変な子だなと思ったものだ。要するに、本人のやる気も失せていたのである。これでは、選抜から漏れた他の研修生が、あまりに気の毒というものだ。

本人の意欲、家族の同意、事務所との相性、契約条件の相違。実にくだらないと、心から思う。
マイナーで泥水を啜り、這いつくばって努力してもメジャーに上がれないアイドルなど、ごまんと居る。それこそ中には、夢を追うどころか、生きるために決死の覚悟で身体を張って、家族を支えるためにアイドルに打って出る15歳だって現実に存在するのだ。

ネットサーフィン中に偶然見つけた女の子、そのリアル過ぎる生い立ちには度肝を抜かれた。
デビュー時15歳のグラビアアイドルである桑田彩は、一見して美形でスレンダーなご令嬢風の美少女だが…実のところ、大変なレベルの極貧アイドルだとか。
父親が借金で自己破産してDVに走り離婚。母親、弟、妹との生活は四畳半ボロアパートで、川の字で寝ているらしい。生活保護は却下され、釣りをしたり野草を採ったりして、かろうじて食いつなぐ日々。
家族の生活を支えるために高校進学を諦め、アイドルになるのを決意した。趣味は「ピアノ、ゴルフ、料理」だが、これはアイドル的振りであり、あくまで願望、つまりは妄想である。体重は32キロしかなく、明らかな栄養失調の兆候を示している。

これは極端な例だが、こういう子も実際に存在するのだ。チャンスを簡単に捨てることの愚かさが、比べれば痛いほどよく分かる。愛菜など、はっきり言って甘ったれだろう。子供のおままごと気分で、アイドルを目指してもらっては困るのだ。
桑田彩という子は、話し方もしっかりしていて、恵まれない境遇にも決して卑屈になることなく素直そうにも見え、とても好感が持てた。
個人的には、こんな子にこそ、この世界で頑張って欲しいと強く思う。
桑田彩

夢を追いかける熱い思い、支えてくれるファンに捧げる感謝の気持ち。そのどれかを失っても、アイドルとしては完全に失格となる。
遊び半分の軽さで、間違ってもアイドルになりたいなどと放言してもらいたくはない。人々に夢と希望を与え、渇き切った心を潤す唯一の存在なのだと身に沁みて知っている僕からすれば、それは神聖なるアイドルの領域を穢すことに他ならないのだから。

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コメント

こんにちは。

ちょっと書き込むのはどうかな?って思ったんですが、あくまで個人的な意見として書き込みさせていただきます。

あまり詳しくないので、あんまり言えないけど。。。僕は大塚さん好きでした。

初めて見たのが久しぶりに行った去年の生タマゴ。歌やダンスがさすが娘の最終オーディションの子って感じで、トークも面白く、やる気もすごいある子だな。って思ってすごい惹かれました。

ユニットに入ることになって頑張って欲しいな。って思ってたし、佳林ちゃんの為にも頑張って欲しいなって。

でも、少しノリが良すぎて後々何かスキャンダルとか危なそうだなって。。。(他にも2人危なそうな子がいるけど)

6月の生タマゴの時はケガをしていてトークのみだったんですが、質問であなたはどんなアイドルですか?って問いに「・・・普通のアイドルです。」って答えてたんです。。。その答えを聞いて一気に冷めたというか・・・僕は普通のアイドルなんていないと思ってるので。

僕が初めて見た時はすごいキラキラしてたのに、ユニットに入ってから明らかにダメになっていった気がします。

もちろんsantaさんのおっしゃる通り、大塚さんのアイドルに対する認識が甘かったのもあるでしょう。

でも、つんく♂は秋元さんと違ってデビューしてからわずかな間に辞めてしまうような子をデビューさせないと思います。

だから、この数ヶ月の間に大塚さんが激的に変わってしまった何かが有ったと思うんです。

個人的な意見ですが、売り方間違えた気がします。何か一気にアクセル踏みすぎたっていうか・・・接触系も多かったし。

いや、疲れちゃったとかそーいうのだったら、甘いって言われるのも分かるんですが・・・まぁ甘いのかも知れません。

ただ、多くのファンをガッカリさせたにしても、大塚さんは大塚さんで考えた上で答えを出したと思うので、それは尊重してあげたいな・・・と。

すいません、何が言いたいかまとまってない感じですが、ほんの一瞬でも僕の心をウキウキさせてくれた大塚愛菜さんに「ありがとう」って言いたいです。そして幸せになって欲しいなって思います。

最後に紹介していただいた子、気になったので調べてみます。

投稿: 館の主 | 2013/07/09 03:58

僕は、あまりこの子を知らないのですが、単に表面上の印象を率直に書かせて頂きました。実際には、様々な葛藤があり、本人なりに苦悩したのかも知れませんね。

「普通のアイドル」という考え方は、ともすればそこそこの努力で、それなりに売れれば良いとも聞こえます。そういった姿勢では、確かにファンは冷めてしまうでしょう。
こうした安易さを、当たり前に受け入れている子が多く見られるのは悲しいことです。。

インディーズでの楽曲の力の入れようから、メジャーデビューは十分予感がありました。急ぎ過ぎたとは、それほど思いません。
ただ、この明らかな「決裂」による脱退劇は、ハロプロの歴史に汚点を残すかも知れません。
とても後味が悪く、残念な出来事ですねぇ。。

投稿: santa | 2013/07/09 20:41

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