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2013/06/09

忌まわしき邪道の時代

指原莉乃

先のAKB48選抜総選挙において、あろうことか指原莉乃一位を獲得。名実共に、日本のアイドルの頂点に立った。
僕はこれまで、アイドルという存在を殊更特別なものと捉え、神々しい輝きに満ちたものと考えていたが、今世間が求めているものとは大きな隔たりがあるのだろうか。
アイドルとは、穢れなく清らかで、甘い夢の中に生きる存在であるべき。そんな概念が完全に覆され、ヘタレでもスキャンダルでも何でもござれといった、忌むべき存在に姿を変えてしまった。
これは明らかに、王道とは遠くかけ離れた「邪道」そのものであり、長年アイドルを見つめ続けてきた僕からすれば、とてつもない異常事態としか思えない。極めて非常識な、事の成り行きである。

僕が最も懸念するのは、こうした「邪道」がまかり通ることによって、本来のアイドルが持つべき清純さ、穢れなさがないがしろにされることである。そこが守られないのであれば、それはもはやアイドルとは呼べない。
スキャンダルを起こした研究生の峯岸みなみも、18位良い順位につけた。つまり、過去のスキャンダルのみならず、平気で男の家にお泊りする女の子までも、アイドルとして公に認めたことになる。こんな馬鹿げたことは、普通考えられない。

誤解されるかも知れないが、僕は指原が嫌いではなかった。
ヘタレキャラであり、マニアックなアイドルヲタクであり、それでいてめげない妙なポジティブシンキング。親しみやすいキャラクターはファンの目線を下げ、ついイジリたくなる面白さが独自の魅力として定着した。
トークが冴え、バラエティでの活躍もあって、知名度を増したのは分かる。しかし、それはアイドルとは別にして評価するべき事柄だ。
そして何より、彼女はファンを欺いていた。いかにも異性に興味がないように装い、自分がモテないアピールを至る所で吹聴していた。
その結果は知っての通り、アイドルにとって致命的な恋愛スキャンダルである。まだブレイク前の過去の事とはいえ、彼女が嘘をつき続けていた事実に変わりはない。
これを契機に、僕は彼女に対し肯定的な感情を持てなくなった。無論、アイドルとして認めることなど出来るはずもなかった。

指原に票を投じた人々は、果たしてアイドル指原莉乃を認めたといえるのか。ただ面白半分に、軽い気持ちで投票しなかったといえるのか。
指原が一位になったら、単純に面白い。予想外のことに、メディアは騒ぎ立てるに違いない。それこそ、社会現象になるほどの影響力を持つAKBだからこそ、そういった興味本位で票を投じた人は決して少なくないはずだ。
いずれにせよ、こういった結果を招いた以上、邪道の象徴ともいえる人物を、日本のトップアイドルに担ぎ上げてしまったことになる。
もはや取り返しがつかない。忌まわしき時代が幕を開けるのだ。

今後、AKBがどのように形を変え、売れても売れなくても、僕がアイドルと認めることはないと思う。AKBは多人数によるパフォーマンス集団に過ぎず、そこに夢や希望、まして愛情を見い出すことなど出来ないと思う。
とても残念ではあるが、致し方あるまい。いつか時を経て、アイドル史に汚点を残した苦々しさを味わうことになるだろう。刹那的な祭りごとに酔い痴れた後の、無情なまでの虚しさと後悔。未来永劫ついてまわるのだ。

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