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2007/08/29

記憶が伝える確かな思い

℃-ute

陽が傾きかけた夕暮れ時の淡い光を、立ち並ぶビルの窓が反射している。どこからか、懐かしい少女の拙い歌声が聴こえてくる。
遠い記憶の彼方から、色褪せた断片を取り出して手の平で弄ぶ。こうして中央線の車窓を眺めるのは、思えば20年ぶりほどになるだろうか。
四月白書」という曲でデビューした、山中すみかのイベント(当時はキャンペーンと呼んだ)に赴いたのを憶えている。
飯田橋ラムラで催されたイベントの記憶は、今でも鮮明に映像とメロディとして刻まれている。
時が過ぎても、心に残るアイドルイベント。それは、奇抜な演出や企画を施したものでなく、思いの深さに依るところが大きいのだろうか。

ハロープロジェクト・キッズの活躍によって触発される、コンサート参戦への漲る欲求。パフォーマンスよりも先に、触れ合う距離感を優先させた僕は、誘惑に駆られながらも、自身の本当に求めたいものを反芻し続ける。
そんな反動もあるのか、コンサート以外のイベントに過度の期待をしがちな僕は、闇雲に参加しようとする傾向があるようだ。
次世代ユニット℃-uteのニューシングル「めぐる恋の季節」PRを目的とした全国行脚、「Cutie Circuit 2007」。
駆け抜けた夏の最後に開催されたのが、「MAGICAL CUTIE 感謝祭」。観客参加型の運動会という、一風変わったイベントである。運動苦手の虚弱体質である僕が競技に参加するはずもないが、メンバーから手渡しのお土産があると聞き、その一点にかけ応援のみの参加を決める。

会場である東京体育館は、千駄ヶ谷駅の目の前にあり、かなり巨大な建物に見える。
開演一時間ほど前に着いた僕は、再入場不可との話を聞き、隅の方に腰を下ろして、思い思いに時間を潰す℃-uteヲタを眺めてみる。意外に普通っぽい人も多い中、カラフルな半被にメンバーの名前を入れた筋金入りも見られる。昔でいう親衛隊というのも、似たような出で立ちだった。
ただ、それらは組織化された集団で、規律も厳しかった。見た目は同じでも、ファンの在り方は随分と様変わりした気がする。

さて、今回のイベント、応援団を北スタンドと南スタンドに分け、それぞれ赤組、白組を応援するというもの。僕は、北スタンドの七列目通路側の席に着く。しかし、思いのほかグラウンドが遠い。双眼鏡がなければ、正直メンバーの表情すら分からない。距離の近さに期待をかけた僕には、少々がっかりする距離感である。
競技の方はというと、ヲタ排除と思われる小学生限定の二人三脚ボーリングのほか、大玉転がし玉入れなど、全七種目。
昨年秋のファンの集い以来となる℃-uteイベントでの僕は、とにかく、愛理まいみぃを双眼鏡で追うのに必死。
競技は、あまり観戦していなかったが…それでも面白かったのは、「サバイばる梅さんが仰天の活躍を見せた、マジカル☆サバイバルリレーという障害物競走。椅子に腰掛けて風船割るところを、なぜか背中で割ろうとしたり、網くぐりを背面でくぐろうとする梅さん。あお向けでもがく姿は、漁獲された未知なる生物といったところ。客席からもツッコミが飛んでいた。
マジカル☆玉入れで惨敗した白組の競技参加者が、メンバーに土下座するシーンも面白い。恐縮するメンバーも土下座で返し、土下座合戦を呈する有り様。それ、どこの水戸黄門??
自分の頭上に玉を投げる愛理も、実にらしかった。
結局、優勢だった白組を、応援合戦で逆転した赤組が逃げ切り勝利。勝敗は別にどうでもいいのだが、悲壮感の似合う愛理と、笑顔の似合うまいみぃという点で、結果オーライか!?
最後に恒例のミニライブへと移行するが、これがまた不慣れな僕にとっては甚だ苦痛に。。 例によって立ち上がり、テンション上げるハロー特有の雰囲気。それはいいのだが、過熱するにつれ強烈なヲタ臭が立ち込める。夏のコンサとか地獄だな‥と、実感するハメに。
余談だが、エッグのメンバーも一部参加していた。ほとんど知らないが、岡井ちゃんの妹である岡井明日菜は、ピュアピュアに掲載されたので知っていた。特筆すべき子はいないが…吉川友という子が、茉麻のようでもあり、在りし日のめーぐるのようでもあり、印象に残っただろうか。
本来の目的であったお土産手渡しでは、赤組の栞菜舞美ナッキーの並びで握手はなし。いつもより流しは緩やかに感じたが、話すことが思いつかず挨拶だけで終了。まいみぃはいつも通り、気持ちの込もった挨拶だったが、手渡してくれた栞菜やナッキーもより丁寧な対応に見えた。L判写真一枚というお土産の中身はともかく、この夏の成長が十分に窺えた。
大本命の愛理と接近出来なかったのが、何より残念ではある。

色褪せた記憶が蘇る刹那、心ならずも郷愁を覚えるアイドルイベントのワンシーン。くっきりと足跡を刻むかのように記憶に留めたとしても、いつの間にか埋もれて消えてゆくひと時の悦楽
どれだけ美少女との愉しい時間を手にしても、それがやがて指の隙間からこぼれ落ちてしまうのを知っている。
僕は、時間と共に、自身の中に眠る大切なものを失っていた。遠い過去に置き忘れた、確かな思いは何だったのか?
アイドルを一途に見つめ続けた、あの日の僕がきっと教えてくれる。そう、信じてる。

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2007/08/10

異界に浮かぶ萌ゆる太陽

ゆいぴょん

今、再び開かんとする異界への扉。匂い立つ萌える香りを漂わせて、かつて遭遇した異様な世界が、今また目の前に展開する。
僕が信じて疑わなかったアイドル観を、根底から覆すコニーズ圧倒的な萌えイズム。素朴で愛らしく、また、危うく病的な魅力に惹き込まれるかの、強烈な印象を脳裏に刻み付ける。
気が付けば、異界の底で慟哭する、己が魂の叫びを耳にするだろう。ロコドルの枠を越えて、創出される少女達の新世界
ただひたすらに、堕ち沈んだ領域で萌えを投げかけるcoco's(コニーズ)に、常識にないアイドルの世界観を窺い知るのだ!

例えるならば、荒野を当て所なく彷徨う僕の旅路に、萌え盛る太陽で照りつけ、飽和状態になった脳に「驚愕」という針を突き刺す荒療治。それが、徳島が育んだ素朴な少女の成せる業だとは、想像だに出来ない。
いわゆる、ローカルアイドルの限定された密やかな活動は、隔絶され縛られないが故に、オリジナリティに富んだ演出を紡ぎ出す。そこに、ローカルならではの天然ピュアな少女の可愛さが溶け合った時、異界は完成するのだと確信する。
僕を狂わせる異界の、固く結ばれた呪縛に導かれるように新宿に訪れる。そう、あのコニーズに逢うために。

昨年の夏に初遭遇を果たした、ロコドル恒例イベント「地方発アイドル 夏休みだよ全員集合!」。今年は、会場を昨年末のクリスマスイベント会場である、新宿村LIVEに移して開催されることとなった。(参照:異界が放つ、萌えの一撃 萌える魂の慟哭 コニーズ登場!
上京すれば秋葉原に寄らずにいられない僕は、開演時刻直前に現地到着。それでもなぜか入場待ちの列が!? 灼熱の炎天下を急いだ僕は、取り越し苦労の疲労感に苛まれ、萌える余力があるのか不安が募る。
ヲタ芸指南の集団が最後列を占める中、落ち着ける奥の隅の座席を確保する。しかしどうやら、暗幕の向こうが出演者の通路らしく、走ってくる女の子?が衝突してくる危険な位置。
出端から妙な塩梅だ。。
全7組のロコドルによる競演。Negiccoココロコロンなど、お馴染みの面子に加えて、特に目を引いたのが愛知のst.Doll
どうも見覚えのあるセンターの子は、あの坂田知美か!? 子役としてはもとより、心交社の写真集も今だ印象に残っている。
ミニスカートで踊る様は、すでに大人の女性の色香漂う。少女の成長はまさに、光陰矢の如しである。
さて、お待ちかねのコニーズ登場。いきなり、アラレちゃんのテーマに乗り、伊達眼鏡に蝶ネクタイでランドセルの装い??
もはや驚愕を通り越して、愕然…コニーズ中毒の初期段階である。テーマソングともいえる「ジャングルジムのてっぺんで」を披露し、しばし癒される束の間のひと時。この後、初東京遠征のくるみっき~の二人も合流し、トトロの曲などを唄う。
更に、追い討ちをかけるかの恒例行事。コニーズの縦笛・ピアニカ演奏、くるみっき~ご指導による、ラジオ体操第二の完全実演! 愉しげな空気の中、独り、際限なく萌えが込み上げる。良く出来た客に、「よく出来ました」スタンプを捺して廻るコニーズくるみっき~。非日常の異界の光景である。
最後に、なぜかムード歌謡を熱唱するきはちゃんゆいぴょん、くるみっき~コーラスで「中の島ブルース」など二曲を披露。
別名、「うち山田みつきとホットこいさんず」?? もう、何が何だか分からない。。

三時間超の長丁場公演を経て、物販タイムに移行。アイドルとの距離感を感じさせないのも、ローカルアイドルならではの醍醐味。出演者による手売りで、気軽にサインや撮影に応じる親しみやすさ。主に、年配の方々に人気のあるコニーズは、人だかりが途切れず、なかなかコンタクト出来ない。
コニーズでは一般に、きはちゃん人気が先行する傾向があるが…個人的には、ゆいぴょんに惹かれるものを感じる。
幼く可愛らしいきはちゃんも捨て難いが、ゆいぴょんの等身大の中学生らしさが、何ともいえない郷愁を誘う。そのゆいぴょん目当てに、ようやく隙間が出来た頃合いを見て、ブロマイドならぬ下敷きとCDを購入する。
丁寧にサインをしてくれる様子が、妙に優しく温かい。「また来て下さい!」との簡単なメッセージが、何とも嬉しい心遣い。
名前を入れてもらう際の、「SANTAさん」と大文字で書いてしまうミステイクも、むしろ可愛く萌え燃料投下なのである。
くるみっき~

まるで、おもちゃ箱をひっくり返したような驚愕の連続。自由奔放で愉快な発想。拙さや素朴さまでも、少女本来の可愛さに転化させてしまう、独自の魅力に翻弄される。
僕が異界に降り立つ時、いつも感じるのが、中毒症状の奥底に秘める微かな安らぎ。それは、素朴で真摯な少女がそっと届ける、優しい感謝の気持ちに他ならない。異界に昇る太陽の仄かな温もりで、眩しく僕の心を照らし出すのだ。

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