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2007/06/22

怪物の一撃 血塗られし桃源郷

嗣永桃子僕は、動けないんだ。
自身が直面する危険を顧みずに進まねばならぬ、片道切符の人生。
朽ち果てた生命力をもって繰り出された僕の右足は、液状化し泥沼化した、お台場の埋立地に沈み込んでゆく。
捕らわれた獲物が放つ、最期の呻きを聞かせよう。我らが崇拝する、あの気高く大いなる魂に。
眠れる怪物が覚醒の時を刻む時、僕の意識は黄泉の彼方へと旅立つだろう。

ももちよ、ももちよ、ももちよ‥
僕の時間を止めたのは、あなたの飽くなきプリティアイドルスピリッツ
眠れるアイドル魂。その未知なる覚醒に導かれたのは、生命と引き換えに挑んだ、弱肉強食が織り成す凄惨な領域。
立ち込める血煙りの彼方から姿を現す、空前絶後のアイドル
モンスター

捧げる下僕の命運は、血に飢えた猛獣への供物となるだろう。
大いなる眠れる魂怪物たる嗣永桃子の血肉となるだろう。

怪物の存在は、空想上の産物でしかない。そう信じて疑わない僕の愚かな思い込みは、やがて内なる成長を遂げ、想像の殻を破り現実世界へ降り立つことになる。
アイドル王道を貫き通す、眠れる怪物との初コンタクト。
Berryz工房ファンの集いにおいて、嗣永桃子(ももち)に接近遭遇を試みる。

ゆりかもめに揺られて、車窓に映る近代的な港の風景。フジテレビの特徴的な外観が近付く。初めて訪れるお台場の洗練された景色は、妄想に心遊ばせる日々を送る、僕の胸を高鳴らせる。
それでも、半信半疑だっただろうか。虚像が具現化するのを、目の当たりにするまでは。
一回目公演。「集合時間厳守」との通達に急かされ、早めにZepp Tokyoに到着。しかしながら、炎天下で待てども、一向に長蛇の列が進む気配なし。睡眠不足と食欲不振に悩む僕は、正直倒れそうな塩梅だ。
20分ほど遅れて入場が始まるも、入念な手荷物検査と書類確認に手間取る。数分に渡り、身分証明の写真と僕の顔を見比べるお兄さん。血色の悪い容貌が不自然なのは、あなた方の不手際のお陰だよ、と言ってあげたい。
ライブハウスである会場は、段差がなく、一階後方はさぞかし視界が悪そう。ここ最近の座席の引きが良い僕は、7列の真ん中辺りと、良席を確保。視界も良好だ。
何やら重たいナレーション(戦争云々)と共に、スクリーンになぜか二式大艇とおぼしき機影!? 確かに、戦火に身を投じるかの高揚感はあるものの、一種のプロパガンダなのか、と。「人生はゲーム」とか無理な結論付けで、要するに人間すごろくをさせたいだけらしい。
ステージ上に現れるベリの面々。まるで、画面に映るメンバーを追うかの非現実感が、未だ拭えない。しかし、ももち独自の
ムチムチ感とクシャクシャ笑顔は健在。ショートパンツの健康的な脚線に、脳天から萌えが噴き出しそうだ!
すごろくのマス目にある指令に従うゲーム内容。りしゃこのセクシーポーズ、雅ちゃんの投げキッス、熊井ちゃんのエアギターなど、見所が続くが…極めつけは何といっても、ももちのスクワット。身体をクネらせながら上下するももちが、特有のフェロモン放出し、桃源郷へご招待。果ては、お母さんと喧嘩する設定で、さとう珠緒ばりの「プンプン!」を披露。双眼鏡で凝視する僕を硬直させた。
恒例のミニライブでは、新曲「告白の噴水広場」の他、4曲ほど。「素肌ピチピチ」は、初めて視聴。集い系のイベントでは、僕のようなDDが多いらしく、極端なヲタ芸や盛り上がりは見られない。終始、眼に焼き付けたい僕には、好都合である。
そして、待ち望んだ怪物との接近遭遇握手会。いきなり、ももちから始まる並び順。ここで、最前ファミリー席らしい幼女が、何とも信じ難いスローな流しを実演する。ももちの笑顔が弾けたのはいいが…直後のヲタ流しが、遅れを取り戻すかの高速化を呈したのには、会場からブーイングである。
その高速化に呑まれたかのごとく、僕の番でも流しが相当に速い。写真集のことなぞ話して、プロのリアクションを期待する思惑が、まんまと外れることに。。
それでも、その瞬間、ももちの体勢は前傾となり、揺るぎない意思を秘めた眼差しが僕を貫く。微かにクネクネするモーションが、僕の視界を小刻みに揺らし、妙にプニプニした手の感触が、いつまでも離すまいと握り続ける。
ももちが掴んで離さないのは、紛れもなく、僕の魂そのものである。
魂を抜かれる愕然とした余韻に浸る僕の鞄を、暴力的に引っ張る力で我に返る。その後の、メンバーとの握手は、断片的にしか憶えていない。千奈美が異常に疲れていて?握手が弱かったのと、ほぼ同じ目線の高さである、熊井ちゃんのニキビが気になったことくらいか。
ほとんど声も掛けられなかった僕だが、確かに体感したのは…研ぎ澄まされた集中力で甘い視線を突き刺し、臓腑を抉り出すかのように魂を喰らう、プロフェッショナルたるアイドルモンスターの痛恨の一撃だったのだ。

あの心を荒らし尽くす、竜巻のごとき破壊力。身体のあらゆる
神経伝達を遮断する、猛獣の鋭い眼光。真紅に染まる視界の向こうから、絶対的な恐怖感が口を開く、この世のものと思えぬ光景
おぞましい惨状が、今、目の前に横たわる。リアルな感触と、血生臭い雰囲気を漂わせて。

ももちよ、ももちよ、ももちよ‥
王道アイドルが招き入れる、夢と現実の狭間とおぼしき悠久の楽園で、甘く切ない感覚に漂い流れるのなら。
この混沌とする世界において、いつしか忘れ去られたアイドルの精神を、その偉大なる影響力をもって知らしめるのなら。
心身を釘付けにする眼差しで、この身傀儡と化し、傷付き出血する肉体と病み疲弊した精神を、自在に弄ぶのなら。
我が人生に悔いはない。

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