2023/10/21

注目すべきAKB48の志し

AKB48

アイドルの歴史を顧みるに、モーニング娘。AKB48は決して外せないだろう。いわゆる全盛期と呼ばれる頃の両者については、当時あまり興味がなく、モーニング娘。の再ブレイク時から本格的にハロプロに傾倒してきた経緯がある。
AKB48に関しては、これまで幾度も言及したように非常に素行が悪く、男性スキャンダルを連発していたのを契機に距離を置くようになった。
その点が大きな一因であるのは確かだが、それと共にパフォーマンスレベルの低さを痛感し、よりレベルの高いハロプロに引き寄せられたというのもある。いわば、「お遊戯」と揶揄される生温さ、見応えのなさを、ひしひしと感じていた。

主役の座を坂道に奪われて久しいが、今年の海外フェスで見かけて以来、思いがけず気になる存在となっていた。
王道を往くパフォーマンスが妙に懐かしかったのだが、それだけでなく、ダンスフォーメーションの大幅な進化が見られ、曲によっては非常にレベルの高いものにまで果敢に挑んでいる。昔の姿とは大きなギャップを感じ、感銘を受けたのだ。

すっかり世間から忘れられ、凋落の一途を辿るAKB48。チーム制度の見直しによるスリム化や、相次ぐメンバー離脱。このほど長らく在籍した柏木由紀も卒業を発表した。全盛期の痕跡が完全に消えるわけだが、今のAKBは昔とは違う魅力を得ているように思う。
最新曲の「アイドルなんかじゃなかったら」を吟味してみると、よく考えられたフォーメーションとメンバーのシンクロ度合いが素晴らしく、ダンスの練度が確実に上がっているのを感じる。それと、これは全てのライブか分からないが、TIF他において生歌で歌っているように聞こえる。口パクが当たり前だった印象が強いだけに、かなりの驚きがあったのは事実だ。
全体として見ると、無論、高レベルのハロプロに比べれば格段に落ちる。いわばヌルい曲も多いし、ボイスレッスン不足のせいか声も十分に出てはいない。しかしながら、これだけ物怖じせずにチャレンジし続ける姿勢には、素直にエールを送りたい気持ちにさせられるのだ。

メンバー個々の点で付け加えるならば、以前にも記した通り、山内瑞葵に惹かれてしまう。アイドルに対する情熱が強いようで、ファンとの交流も盛ん。SNSでファンに励まされ、涙する姿に胸打たれたのは確か。
ダンスが上手く、スリムで手足が長いせいもあり、ダンスのキレが冴え渡る印象あり。素朴な雰囲気ながらのアイドルらしさを、遺憾なく発揮しているところが大いに好ましい。AKB48における、推しメンに認定しておきたい。

全盛期当時、AKB48は何もしなくても売れた時代であり、いくらでもオファーが舞い込む勝ち馬状態であった。いつしか凋落の時を迎え、取って代わった乃木坂46は、AKB時代を彷彿とさせる隆盛を誇っている。
乃木坂はかつてのAKB同様、お遊戯を披露しても絶賛される現状。一方のAKBは、再び這い上がろうと必死に自身を鍛え上げ、レベルを上げようとしている。僕は、この苦しみもがきながらも懸命な姿に、ふと心奪われてしまうところがある。

余計なスキャンダルなぞに浮つくことなく、一途に真っ直ぐな志しをもって進んでいく姿勢こそ、アイドルの真骨頂。少なからずの懸念は伴いつつも、今のAKB48を秘かに応援し、温かい目線で見守りたいと真に願わずにはいられない。

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2023/08/26

野球を通じた共感と安らぎ

乃木坂野球部

スポーツは野球以外、興味はない。今夏の高校野球は盛り上がりを見せたようだが、プロ野球にしか興味はない。プロの高い技術による配球の駆け引きが面白いのであって、高校生の低いレベルでは見応えがないからだ。
オリンピックの種目から外され、スケートボードだのサーフィンだの、わけの分からないマイナースポーツに代わられることは愚の骨頂だと思っている。スケボーなど、公共物を破壊する輩もいて、ただの迷惑行為集団にしか思えない。よって、パリオリンピックは全く見ないのが、個人的には確定している。
そんな唯一の魅力を感じるプロ野球であるが、元々、子供の頃から父親とナイター中継を観ていたのがきっかけでもある。当時は何となく巨人を応援していて、原やクロマティの時代であった。ファミコンの「ベストプレープロ野球」というゲームで、戦略や選手のことを詳しく知ったりもした。後に、巨人の金満体制に嫌気が差し、大人になってからはアンチ巨人となって今に至っている。贔屓の球団は、特にない。

いわゆるプロ野球好きのアイドルは、ハロプロでいえば牧野真莉愛くらいしか知らないが…思いがけず乃木坂46内において、複数に渡るガチ勢が存在していたのを最近になって知る運びとなった。
既知であった久保史緒里の他にも、向井葉月柴田柚菜黒見明香の三名が、日常的に観戦に行くほどの野球好きなのを初めて知った。
知っての通り、久保は熱狂的な楽天ファンで、向井は西武、柴田はロッテと贔屓も明確だ。黒見は「プロ野球スピリッツ」というゲームが好きなのから入った野球ファンらしい。いずれにしても、現役トップアイドルの野球ファンが、これだけ居るというだけで驚きである。

彼女らはお互い誘い合ったりして、それぞれのホーム球場で野球観戦する様子を配信している。
僕は長年野球を見続けてきたが、もっぱらテレビ中継のみで球場に行ったことはない。なぜなら先述したように、投手と打者の駆け引きが目的であり、球場よりテレビで観る方が楽しめるからである。
ただ、グッズの買い物や球場のグルメを堪能しつつ、観戦にのめり込んでいる姿を見ていると、改めてそれはそれで楽しそうだなと思ってしまう。久保などは、観戦中は無口になり目がヤバイ感じになっていたりして、完全なるガチっぷりに引くほどである。
久保は楽天のチア、向井はソフトボール経験者、柴田は球場の売り子と、野球に係る経験豊富なのも納得出来る理由となるだろう。

面白いのは、この四人が乃木坂野球部と称して活動している点か。元ロッテ捕手で解説者の里崎智也による直接レッスンで、自ら野球のプレーに挑戦したりと、なかなかに興味深い企画を発信している。
久保は始球式でノーバン、向井は左投げ左打ちと、元々スジが良く様になっている感があり、投打共に初体験の女子としては優秀だった。黒見森友哉のモノマネが、個人的には一番のツボだったのだが…。

野球好きの女子に惹かれる心理状態とは、自分の好きなものに係る共感のみならず、アイドルという高嶺の花が身近に舞い降り寄り添ってくれたような安堵が作用し、癒しをもたらしているかの感覚だろうか。
ステージで輝くアイドルとの、ささやかな心くすぐる安らぎの時。野球を通して、新たなる妄想に耽るには格好の題材であり、追求したい手法でもある。ずっと拠り所となっていた、小さな世界が拓ける瞬間を少しだけ感じていた。

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2023/08/20

アイドルの変わらぬ必須要素

正源司陽子

ルッキズム」なんて言葉があるそうだ。全てにおいて外見を優先する考え方で、それによる偏見や差別が近年問題視されている。
確かに、見た目だけで人を判断するのは浅はかだし、見た目の悪さで不当な扱いを受けるのは人権侵害に他ならないだろう。ただ、外見というのもその人の魅力の一部であり、置かれた立場によっては大きなアドバンテージになるのも事実だと考えられる。

アイドルという特殊な立場上、この「ルッキズム」に近いような人選がなされることは、ある程度仕方ないといえる。地下等では、明らかに不細工な娘がアイドルをしている場合が散見されるが、あれは「ごっこ」、つまり真似事に過ぎないので問題にはならない。
メジャーアイドルの一員としての、外見の悪い子の存在は許されるべきではない。厳しいようだが、アイドルとは夢を売る商売。一定の見た目のレベルを前提とした上で、キャラクターやパフォーマンスの肉付けがされなければ、ファンは安心して夢に身を投じることが出来ないのだ。

外見の悪さにより、社会的評価を落とされたり中傷されるのは良くないこと。ただ、アイドルに関しては上述の考え方を譲るつもりはない。
外見至上主義と誤解され兼ねないのは忍びないが、ここであえて、各アイドルグループにおける個人的主観に基いたビジュアルトップを書き連ねてみたくなった。

坂道では、非常に高いビジュアルレベルを維持する乃木坂46。推しメンの久保史緒里はもちろん、山下美月与田祐希賀喜遥香など挙げればキリがないほどの美女揃いである。
最新の5期メンバーのレベルも極めて高く、なんなら5期を独立させても天下を獲れそうなくらい。とりわけ印象深かったのは、不思議な空気感のある池田瑛紗か。美術の才能に長け、東京芸大に合格した才色兼備ぶりが怖いほどで、アイドルとしても稀有な存在感を漂わせている。
関係ないが、弓木奈於のラジオでの爆弾娘っぷりにハマっている。おかしな言い回しと、無意識?の下ネタに引きつけられていて、キャラの面白さが無限大だなと感服することしきりであった。

櫻坂日向坂はそれぞれ、守屋麗奈正源司陽子守屋は、現役アイドル美女部門では随一の清純派だろう。完璧な端正さと、天然ブリっ子キャラはアイドルの鑑である。
正源司はキャリアこそ浅いが、正統派の美少女ぶりが図抜けており、恐らく高レベルの坂道においてもトップクラスに入る。同期内ではおちゃらけるが、ドッキリ企画では生真面目に臨む姿勢が真摯であり、好感度も抜群だろう。
次点で、櫻坂森田ひかる日向坂小坂菜緒といったところ。共にエース級であり、相応のビジュアルレベルに達しているわけだ。

乃木坂46の公式ライバル「僕が見たかった青空」におけるメンバー分析は未だ不十分であり、名前を挙げるのは難しい。全体を通した印象としては、飛び抜けた存在は居なそうに思えるが…。
JCミスコングランプリの秋田莉杏は、個人的評価はそこまで高くない。素人味全開で早くもTIFでやらかしたようだが、初出の新人ということで大目に見てあげて欲しい。
ビジュアルというより、柔らかな雰囲気安納蒼衣が多少目についたか。成長し垢抜けると、化ける要素はある感じがする。

パフォーマンス力は他を圧倒するハロプロであるが、ビジュアル面では完敗である。強いていうなら、モーニング娘。のビジュアルクイーンこと牧野真莉愛など挙げるのが無難だろうが…ここはあえて、意外性のあるメンバーを出しておきたい。
OCHA NORMA米村姫良々。研修生から数えて8年のキャリア有するベテランだが、常に華がある目立つ存在で、最近では「推しの子」の踊ってみた動画がバズった件でも有名である。劣化知らずの安定したビジュアルは、十分に評価に値することだろう。
安納蒼衣

見た目が良いだけで中身が伴わなければ、たとえアイドルだとしても決して推されることはない。ただし、ビジュアルが悪いとなると、早々にそうした評価の対象外となり、スタートラインにさえ立てないのが現実なのだ。

もしも、アイドルの容姿を蔑ろにしてしまったら、誰も見向きしなくなり存在意義は消え失せる。原則論に立ち返るならば、最初の必須要素であるビジュアル、そしてパフォーマンスキャラクターと三拍子を要することに何ら変わりない。
たとえ何十年の時を経ても、一切変わらないのが原則というもの。外見のハードルを越えなければ、その先はない。ただ、それだけだ。

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2023/08/11

AKB48に見るアイドルの原点

AKB48

ひとつの時代を築いたという意味では、かつてのモーニング娘。と同様に、アイドルの歴史にその名を刻んだAKB48。その後、ももクロ坂道に取って代わられ、次第に過去の遺物として人々の記憶から忘れ去られていった。
僕自身としては劇場にも参戦したことがあるし、結成間もない当初は決して印象が悪くなかった。パフォーマンスレベルの低さはアイドルとして必ずしも重要事項ではなかったが…最も問題視したのは、素人同然のメンバーを多数揃えたことによる弊害、つまりスキャンダルの多さであった。
最初は運営側も厳しい処分を下していたが、いつの間にかスルーが横行する事態に。果ては、総選挙中に結婚宣言するならず者まで現れる始末で、多くのファンが見限ったのが、こうした救い難い素行不良によるものだったろう。

例えば、ハロプロでもスキャンダルがなかったわけではないが、比較的厳しい脱退処分などを近年まで見られていたし、そもそも高いパフォーマンス力によりエンタメとして完成されているが故に、現在まで一定の支持を得ることが出来ている。
AKBについては完全に意識外なのもあり、正直申し訳ないが、解散したのかも?とまで思ってしまっていた。ただ最近の動画をたまたま目にする機会があり、少しだけ懐かしいような原点回帰に近い印象を覚えたので、ここで記しておきたい。

櫻坂46が今年のJapan Expo Parisに出演した際の動画を追っていると、何やらもうひとつのJapan ExpoAKB48が出演している動画を見つけることに。タイで開催された、いわゆるメインのパリではない、サブ扱いのJapan Expoなのだろうか!?
そこで触れたのが、何とも懐かしい昔ながらのコールで喝采を受ける熱い雰囲気、80年代を彷彿とさせる王道の可憐なアイドル衣装に拙いダンス。何だか、古き良き沸き立った日々にタイムスリップしたような、不思議な気分に見舞われたのだ。
現在は向井地美音が総監督となっており、ベテラン柏木由紀が三十路で現役という、なかなかに理解不能な体制。柏木に関しては、もはや社会実験の一環として、やれるとこまでやってみたら良いのではないかと。
他には、デビュー当時少し推していた千葉恵里がモデルっぽく成長し、SNSでの配信にも注力しているとか。動画の企画において、現状のAKBの知名度に直面し、涙する場面が痛切で印象的ではあった。
Japan Expo出演メンバーの中では、山内瑞葵が気になった。昔の雰囲気そのままに成長したというか、変に髪を染めたりせずに清楚な少女らしさを宿したままなのが、とても好印象だった。やや地味なイメージもあるが、それも大切な個性。そこを理解せずにイメチェンすることには抵抗があるし、きちんと自己分析出来ている娘には好意的にならざるを得ないのだ。

余談だが、かつて「お遊戯」と揶揄されたAKBのパフォーマンスに異変が生じている模様。
根も葉もRumor」という曲のダンスがアクロバティックで躍動感があり、非常に難易度が高い。選抜されたであろうメンバーのダンス動画を拝見したが、手を抜くこともなくきっちりと踊れているではないか。
AKBのくせに、やるじゃないか…と見直す面が出てきたのは、新鮮で嬉しい発見でもあった。

今一度、アイドルの原点を垣間見せてくれたAKB48。全体として、不足している面はまだまだあるだろう。しかし、人気が低迷しても腐ることなく、メンバー一人一人が努力を重ね切磋琢磨しているのを感じ取れる。これは、見過ごしてはならない基本姿勢である。
時代は坂道、乃木坂には公式ライバルまで現れている。ハロプロAKBと時代を形作ったグループの再興こそが、新たなる戦国時代を導き、この界隈を活性化してくれるような気がしてならない。

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2023/07/28

さくら学院を顧る櫻坂46

櫻坂3期生

かつて実在したさくら学院とは、学校をテーマにした小中学生限定のアイドルグループ。少なくとも現時点において、現役のメジャーアイドルに同様のグループは存在していない。ジュニアアイドルが映像媒体と共に排斥される傾向が続く限り、再びの出現はないであろう。

さくら学院消滅の後、ハロプロにより傾倒していくかに思えた自身の関心は、思いがけず坂道の若手の方向にシフトしている。ハロプロから坂道に推し変したわけでなく、若手のフレッシュさやキャラに魅了され、動画を漁っているのが率直に楽しいのだ。
前にも言及した通り、乃木坂5期生日向坂4期生を中心に興味深く観ていたが、ここ最近になって櫻坂46の3期生にも注意を引かれている。
他の2グループに比べ、パフォーマンスの面では全く興味は湧かない。力強さやクールさ、立体的な演出ばかりが目立ち、アイドル本来の可愛らしさや可憐さが致命的に欠けているからだ。
ただ、個々のキャラクターや人間関係の面で面白い点が多々あり、動画視聴が止まらなくなった。この機会に、順次挙げていくとしよう。

櫻坂3期生の中で、最初に結構可愛いなと印象に残ったのが、山下瞳月。非常に小柄で瞳の大きな猫顔、やや派手めだが嫌いではない。
推しの守屋麗奈をあざとさの面で崇拝する姿勢など、とても好感触だったのだが…ジェットコースターやお化け屋敷の企画で、キレキャラや濃過ぎる関西弁で化けの皮が剥がれた感じか。裏の顔を誤魔化しつつ、表面上のアイドル性を追求していくのが吉といったところ。

逆に、裏の面で惹かれたのが向井純葉だろうか。同様のジェットコースター、お化けでは、物凄い号泣と腰抜けっぷりを披露。このビビリキャラが思いの他、刺さったとでも言おうか。見た目は美形のモデル風なだけに、良い意味でのギャップになったのかも知れないが。
先輩に対する推しの意識も強い印象で、まるで妹のように可愛がられる愛されキャラを狙えるのではなかろうか。

愛されキャラといえば、遠藤理子谷口愛季の二人。それぞれ17歳、18歳という割りには、やけに幼く純真な雰囲気が際立っている。
どう見ても中学生だろうが、遠藤は演奏を先輩に褒められて泣く純粋さ、谷口はジョイマンネタで先輩をイジる破天荒さ等々、見所のある個性味を遺憾なく発揮している。20代メンバーの多い同グループにおいて、フレッシュな魅力を加味している辺り、アクセントとして最適なのは間違いない。

おかしなキャラクターとしては、小林由依への愛が強すぎる的野美青や、前転ボールキャッチで顔面直撃した中嶋優月など、結構度肝を抜く個性派が目白押しで、枚挙に暇がない。
そんな中で、学力ランキング一位の才女、小田倉麗奈がやたらまともに見えて、逆に安心感があって良かったりする。育ちの良さそうなご令嬢風も、個人的には魅力的に思えるのだろう。

三期ではないが、増本綺良特殊な個性にも引きつけられている。椅子に頭がハマる、ワードセンスが独特すぎ、犬の鳴き真似しながらルービックキューブ、運動能力チェックの挙動がおかしい、爬虫類に目がない…はっきりいって、完全に変人である。
キラキッズなる派閥で、村山美羽小田倉麗奈と三期の囲い込みにも余念がない。小田倉が変な影響を受けないか、真剣に心配な事案だ。
増本綺良

ジュニアアイドルの時代は終焉を迎えた。というよりは、謂れなき迫害の時を迎えたという方が正しいか。取って代わるのが、ハイティーン以上、20代中心から成る高齢坂道の巨大勢力。契機となるのは、いわば大人が演じるアイドル像の具現化というわけである。
偽りでない素から滲み出る可愛さは否定され、意図的に創出された虚像を受け入れ肯定する時代への変遷。それを、ひしひしと感じている。

さくら学院は遠く過去の彼方に封印し、現代を疾走する坂道アイドルを率直に受け容れる道を選択すること。
時に抗うよりも、求め得るより良き要素を取り込み消化し、自分なりの愉しみや満足感を得る方が、この時代においては正解なのかも知れない。

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2023/07/16

少女期のプラットホーム

らら

少女が別れを告げた季節、そしてあの取り戻せない眩しくも儚い時間の行方。どんなにか胸を引き裂かれるような忸怩たる思いで、まるで自らの魂を差し出すかの如くに何処までも追い求めていた。
一瞬の思い出だけ残して走り去る少女期は、まるで片道切符の列車のよう。もう二度と出会うこともなく、果てしなく遠い地で大人として生まれ変わり、新たなる一歩を踏み出すのだろう。

少女らしさというのを突き詰めると、一見どこにでもいそうな平凡な女の子に帰着する。親しみやすい温かな少女の面影が脳裏を過る時、郷愁にも似た切なさで胸が熱くなるのだ。今回は、そんな好例を挙げていきたい。

長崎のロコドルだろうか? 非常に限られた情報しかないので分からないが、長崎超絶美少女隊というグループに在籍しているらしい、ららという名前の子。本名さえ分からないのだが、とにかくこの子が可愛く少女感が強い印象がある。
平凡な雰囲気ながら黒髪ロング色白細身という清純派の必須要素を着実に押さえ、柔らかく優しい印象際立つ美少女ぶりに強く引き寄せられる。こうした子を見ると、胸を締めつけられるような懐かしさと共に、素の少女らしさに触れたかの喜びを感じてしまう。
頻繁に撮影会を催しているようで、ネット上には数多くの高画質な写真が漂流している模様。大人っぽい装いやボーイッシュなボトムスが多めなのが少々残念だが、様々な衣装を楽しめるので有り難い限りだ。
現在、高学年か中学に入ったばかりだろうか。大手移籍など経て、更なるモデルやアイドル活動も期待していきたい。

乃木坂46の中では、野球好きの久保史緒里など推しているが、同じ三期の与田祐希もわりかし好きだった。田舎娘でヤギの散歩しているギャップが良かったが、大雑把でだらしない日常を知る内に徐々に冷めた感はある。
深夜ドラマ「量産型リコ」のヒロイン役を演じていたが、プラモデルに絡めたオタクっぽい属性が性に合うのか、結構熱心に観ていた。
与田祐希の演技はまずまずで、それはまあいいが…それよりも模型店のバイト店員である女の子の方に目がいってしまったのは、思いがけない事の成り行きであった。
リンクルプラネット石田悠佳。昨年末加入した新人らしいが、だからこその素人らしい飾らない可愛さ、愛嬌溢れる笑顔、要所をおさえた可憐な少女っぽさが琴線に触れたようである。
ドラマの中では愛嬌振り撒き明るいイメージだが、与田に憧れるあまり塩対応だとか、意外と大人しいだとか、良い意味でのギャップも好し。17歳というには中学生のようで、今しかない少女感を注視したいと思う女の子だといえる。
与田祐希、石田悠佳

もう二度と還ることのない、少女期のプラットホーム。行き先も分からずに、あの美しい景色も鮮やかな横顔も、やがては全てが遠く色褪せてしまう。永遠に失われたことさえ、いつか交わされた約束であったかのように。

少女の時が遠のいていく。息苦しいほどに胸焦がした、あの頃の記憶に出逢える気がして。ただ、その日を待ち侘びるように佇んでいた僕は、いつしか置き去りにされた迷い人のように途方に暮れるだけ。
少女の眩い時間は、過去と現在で確かに繋がれている。彼方に消えた列車に続くレールのように、次第に引き離されていく輪郭が記憶の闇に投影される限り、僕はあの季節に辿り着けるような気がしていた。

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2023/06/01

アイドルデビューの重み

弓桁朱琴、井上春華

ここのところ坂道の動画を漁るのに懸命で、本来注目すべきハロプロをノーマークにしていた。ある程度、定期的に行われる大幅な改編、いわば新メンバー加入などの大きな動きに、全く気付かなかったのは迂闊であった。
定期的とはいうが今回の改編、やや性急過ぎる気もするが…更なる増員の程度が度を越しているようにさえ見え、長年のファンの立場からすると不穏な心境に見舞われるほどなのだが。

先ず本体であるモーニング娘。の新加入についてだが、16期に続いての一般加入となったようだ。
井上春華弓桁朱琴の二人について。井上は大人しいイメージと思いきや、メンバーと会った際には落ち着いて特技披露したりと掴みどころがない感じ。弓桁は良くも悪くも普通、平凡なイメージ。櫻井梨央も同様に、平凡ながら潜在力に期待した人選なのだろうか。愛嬌ありげで高身長なので、目立つ存在になれるかどうか一種の賭けなのかも。

アンジュルム新メンバーとしては、ほぼ既定路線の後藤花おはガール抜擢、謎の事務所推しもあって、グループ入りは誰もが予想していた。
共に、さほどキャリアがないのになぜか選ばれたのが、研修生の下井谷幸穂橋迫鈴の時と同じように、竹内朱莉が実家で寿司待ち伏せとか、真面目にやれと思ったが…下井谷の反応が面白かったので良しとしよう。
Juice=Juiceには、研修生の川嶋美楓が加入。植村あかりのサプライズに動じることもなく終始、落ち着いている様子だった。恐らくだが、田中れいなへの熱烈な崇拝ぶりからして、モーニング入りを望んでいたのではないか? 本体入りなら、反応は全く違っていただろう。
この子は、ハロメンの高評価が目立っていたので、それも一因としてあるのかも知れない。

今回、最も驚きなのが、研修生ユニットの動向か。新たにユニット入りしたのが、吉田姫杷上村麗菜。まあ、ここまではいい。
ただ、来年に新グループとしてデビューするという報に仰天した。OCHA NORMAの前例があるとはいえ、そうそう研ユニをそのままデビューさせないだろうと、あまりにも短絡的過ぎる事の成り行きに、しばし呆然としてしまった。
もちろん、研修生で推していた小野田華凜橋田歩果がデビュー出来るのは嬉しいが、やり方が単純だし工夫も何もない。グループ乱立で飽和状態になるし、何よりデビューの重みが相当に軽んじられるかの印象を強く覚えることに。
研修生が頑張ってきたのはよく知っているが、選抜ユニット組んでまんまデビューとか慣例化したなら、ハロプロの空洞化が促進するのは先ず間違いない。もう少し、個々人の技量や資質を冷静に分析した上で、本当に価値のある子を厳選してデビューさせて欲しい。当たり前のことであるが、古き良きハロプロは常に厳しさの中に在り、切磋琢磨して今があるのを忘れてはならないのだ。
ハロプロ研修生ユニット’23

あまりスムーズに世代交代が進んでいない印象が、どうしても残ってしまうハロプロ改編の内容。新人を続々と起用するのと同様な、古い世代の卒業離脱、このバランスがうまくとれていないように思える。

新陳代謝の停滞のみならず、安易に映る新グループの乱立。デビューのハードルが厳しく挫折する研修生が多いのも、ハロプロならではのプロ意識を重視する故のシビアさだったはずだ。
デビューの重みが、軽んじて扱われているような感覚は馴染みがない。あくまでストイックに、アイドル界随一のパフォーマンス集団としての矜持を、今の時代だからこそ見せて欲しいのである。

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2023/05/26

アイドルグループの隠し味

小川彩、一ノ瀬美空

いわゆるジェンダー問題に関する議論が世界的に盛んであるが…殊に男性の立場からすると、「ゲイ」に対しての嫌悪感は計り知れないものがある。どこかの官僚がそんな発言をして炎上したことがあるが、普通に考えてゲイのカップルが隣りに住んでいたら、正直に気持ち悪いのは当たり前の話だろう。
それは差別の意識がなくとも、明確な差別として糾弾されることがままある。「気持ち悪い」という表現は行き過ぎだとしても、かなりの違和感を覚えるのは確かであって、内心の自由があるにせよ一切の発言は許されないらしい。

男性の立場からするとゲイは嫌だが、女性同士のそれには極めて寛容だということ。女性アイドルグループによくある、メンバー間の戯れが度を越した、下手をすれば同性愛的な執着さえ感じ得る生々しいエピソードの数々。
メンバーの人間関係が面白い特別な女性グループだけに、ファンにとってみれば、興味を掻き立てられる胆の部分になるのかも知れない。

乃木坂46に関しての知識が初期メン程度で止まっているのは変わらずだが、先述の理由により印象に残ってしまった部分があるようだ。
若手5期生メンバーの中で、とりわけ濃密な関係性が際立つ一ノ瀬美空小川彩の二人。最年少だけあって可憐な雰囲気の小川彩なのだが、それを異常なほどに可愛がる一ノ瀬美空の執着ぶりが相当に怖いのだ。
生んだ記憶がある、口の中に指を挿入する、部屋を写真だらけにして毎日話しかける等、常軌を逸した言動の数々に戦慄する。基本、小川はツンデレなのだが、そこも含めて溺愛する一ノ瀬の様子が、まさに異常性愛と呼ぶに相応しく衝撃を覚えたのだ。

ハロー!プロジェクトにおける、生々しい性的な香り漂わせる関係といえば…再ブレイク時の道重さゆみ鞘師里保などが挙げられるが、思いがけず古い間柄での根深い関係性を、最近になって知らされることに。
アンジュルムリーダー竹内朱莉と、元Juice=Juice宮本佳林。研修生以前、エッグ時代からの古い盟友であるイメージだったのだが…実のところ佳林竹内を好き過ぎて、変質者じみた脱線を呈している状況を今更ながら知ったわけだ。
竹内TO(トップオタク)を自認し一般オタを威嚇する、自らの顔に油性マジックで「竹内」と書いて誕生日を祝う、自分の頭皮の脂で墨を磨り書道を依頼(竹内は書道の正師範)など、暴走の程度が尋常ではない。
ジュース時代は正統派アイドルとしての評価が高かっただけに、悪い意味でのギャップが凄いことになっていた。

若い女の子同士の過剰な戯れによる麻薬的な誘引力。アイドルグループという特殊な環境下において、メンバーの人間関係の範疇に収まらない執着が度を越えた時に、えげつなく濃厚な萌えを享受出来ることがままある。

集合体に因る化学反応の様々な形。ややもすれば、セクシャルな意味合いすら含んだ百合萌えの極致に至る人間関係の濃密さこそが、決して公言し得ないアイドルグループの隠し味といえるのかも知れない。

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2023/04/12

朽ちていく魂に必要なもの

春山紬月

季節の変わり目のせいなのか、どうにも体調が優れない。食後しばらくしての胃痛と、原因不明の下痢に悩まされている。
食前の少しばかりの飲酒を自重すれば幾らかはマシなのだろうが、つまらぬ孤独な人生を生きるにあたり酒を抜くことは到底考えられない。酒をチビチビとやりながら、野球中継やアイドルのライブ動画を観るのが愉しみだ。
ささやかな生き甲斐の為に、この誰も気にかけないブログを放置することは許して頂きたい。

かなり間が空いたのもあり、ここ最近の気になる女の子を書き留めたいところだが…それほど真新しい発掘があったわけではない。
ただ何となくぼんやりと視聴した、ネット上の動画やテレビCMなどによって、少なからず気持ちを動かした光る存在を書き記しておきたい。

ハロプロに準ずるアイドルグループの存在が、ビジュアル重視の坂道らが主役となることで、ますます見付けにくくなった感がある。見た目よりも、先ずパフォーマンス、そしてキャラの濃さ。女性アイドルとは思えないほどの、謎のパワーを感じるのも特徴的だ。
ある曲をきっかけに、いぎなり東北産というグループに同様の魅力を感じ得たのは意外な発見であった。
ネットで少し話題になった「メタハンマー」という曲が、極めてキャッチーでありながらも力強いスルメ曲だったのが大きな契機。ライブ動画やダンスのフォーメーションなども本格的であり、生温い坂道AKBとはレベルが違う印象があった。
スタダに疎いのもあり、このグループがメジャーデビューしているのかよく分からない。ただマイナーだとしたら、実にもったいない話だろう。
数年前に、桜ひなのを気になる女の子として取り上げた記憶があるが、センター付近に配置され主要メンバーに定着している様子。今のところ、「メタハンマー」以外で好きな曲を見付けられていないが、楽曲に恵まれれば界隈にひと波乱起こしてくれそうな期待感は大いにあり楽しみである。

先般のWBCは、野球ファンとしては久し振りに楽しめた内容だった。スモールベースボールから脱し、欧米に負けないパワーと投手力で圧倒した日本の強さは、まさに世界一に相応しいものがあった。チェコやイギリスといった欧州代表の活躍も興味深く、サッカーがメジャーな地での野球の広まりを期待させる、違った側面での面白さもあったかも知れない。
そんなブームに乗っかったのか知らないが、西武ライオンズが独自CMを打ち出していた。父娘の球場のワンシーン、まだ幼い感じの女の子が非常に可愛く、野球とかそっちのけで印象に焼き付いてしまった。
いわゆるこの丸顔のタヌキ系に惹かれる傾向があり、端正さと可憐さも申し分なく声まで可愛らしい。春山紬月というこの子は実績に乏しいものの、様々な可能性を秘めた次世代美少女だと断言しておきたい。

先頃、同僚が仕事中に倒れて、救急搬送された。脳卒中とのことだが、ひと月以上経つ今も仕事復帰出来ていない。同年代というのもあって他人事とは思えず、我が身に降りかかった出来事のように感じてしまう。

人間は、死ぬ時は死ぬものだ。今さら死を恐れはしないが、苦悶の只中、孤独の内に消えていくことに言い知れぬ不安を覚えるのは確か。
せめてもの癒しと報いを、愚かなる人生の終焉に。美しい少女の記憶だけが、朽ちていく魂には必要なのだろう。

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2023/02/20

墓標へと通じる螺旋

渡辺莉奈

少女期という不確かな時間の感覚は、あらゆる感情の起伏をもって形を成そうとしても言い表せる代物ではない。一概に掴みどころがない故に稀少なのだが、その帯びたる最も特徴的なのはいわば、純粋な雰囲気である。
幼さ、あどけなさに純粋さを感じ得るのは、初々しい透明感に尽きるように思える。世俗の穢れに一切触れていないかの清らかさが、いかにも不完全でありながらも美しい、少女ならではの風情を強く感じさせるのかも知れない。

いわゆる坂道グループに関する見識の浅さに関しては、これまで通り大して変わってはいない。乃木坂は初期メン程度、櫻坂守屋麗奈のみで、日向坂に至っては全く知識を持ち合わせていなかった。
いわば、一片も関心のなかった日向坂46。今ようやくだが、4期生の一部の面々に少なからず興味をそそられている。
最年少の渡辺莉奈。別に最年少だからというわけでなく、むしろ高校生に見える大人っぽさもあるが…非常にピュアな雰囲気が際立っているように見える。正統派の少女感が色濃く、ナチュラルな笑顔に心癒される。
名字が特徴的な正源司陽子。目鼻立ちのはっきりした、クラシカルな美少女。若干、陰キャっぽい面も見受けられるものの、乃木坂加入当初の久保史緒里にも似た雰囲気は嫌いではない。素のキャラクターに興味津々だ。
4期は元社会人から中学生まで年代の違う同期メンが混在していて、その関係性も面白そうだと思っている。

若手女優の分野では、ニューフェイスの新鮮な輝きが目立っているようで、ドラマ等で目に付く女の子がいたりすることがある。
Get Ready!」というドラマに出演した當真あみという子、まだ演技経験が少ないながら、初々しさ溢れる演技に心惹かれる感じがした。
ややクセのある平凡な顔立ちではあるが独特な透明感があり、未熟ながら懸命に演技する姿が一途で、胸に響くのだろうか。まだあどけなさを残した容貌に少女の純粋さを宿す、旬の時期であればこそ。この一瞬を記憶に留めておきたいと願う好例であったろう。

余談として、カリスマティーンモデル林芽亜里が「OPEN HOUSE」のCMに出演している。地底人との絡みがユニークなCMだが、注目すべきは、不慣れな素人感が逆に初々しい魅力を発している点。
演技経験はほぼなく、テレビも慣れていないのがよく分かる。加えて飾りのない制服姿が、本来の清楚な可愛さを引き立てている。いつもの気取ったモデル装いよりも、ずっと良い。飾らない魅力に、原点回帰して欲しいと思わずにはいられない一事であった。
林芽亜里

新鮮味から脱し、洗練されていくことが大人に成長することであり、同時に少女時代からの明確な離別となる。やがてはそれは記憶の波に呑まれていくのであるが、単に色褪せた過去ではない心に刻まれた印が、必ずや残るはずだ。

渦巻くような螺旋を描き、朽ち果てた少女期の墓標に辿り着く。そうした深淵に澱む幻影を、ただ為す術もなく反覆し続けている。

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